「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
サキホコレ弁当
年々激しくなる産地間のブランド米競争。
E6系新幹線電車「こまち」、奥羽本線・羽後境~大張野間
11月26日、秋田市から初雪の便りが伝えられました。いよいよ秋田新幹線「こまち」号も雪景色のなかを走る季節に入ります。真っ白な雪と真っ赤な新幹線とのコントラストが、一層美しい時期ですね。外観の赤に対して、普通車のシートは豊かに実った稲穂をイメージさせる黄色。通路は畦道に見立てたと言います。「こまち」の愛称も相まって、自然と米どころ・秋田を思い起こさせられるものです。
(参考)JR東日本ホームページ
サキホコレ弁当
長年、「あきたこまち」を主力としてきた秋田のお米ですが、近年、全国各地で新たなブランド米が開発されたことを受けて、県を挙げて新たなブランド米の開発に取り組みました。その名も「サキホコレ」。
(参考)秋田県ホームページ
サキホコレ弁当
【おしながき】
・サキホコレの白飯 梅干し
・秋田県産黒毛和牛煮 秋田県産シイタケ・千切り筍入り
・秋田比内地鶏のミニメンチ串
・玉子焼き
・人参煮 アスパラ添え(すきやき風の味付け・隠し味に赤ワイン使用)
・漬物(いぶりがっこ盛り合わせ/大根・人参)
・秋田県産椎茸煮
・秋田県産とんぶり入りのかまぼこ
・こごみ胡麻和え
サキホコレ弁当
「サキホコレ」のロゴが大きく書かれた掛け紙とふたを外すと、センターに「サキホコレ」! まさにお米が主役の駅弁です。「コシヒカリを超える極良食味品種」をコンセプトに、食味にこだわって開発されたそうで、モチモチとした食感が楽しめます。関根屋によると最初、炊飯には試行錯誤があったそうですが、米の特徴をつかむと美味しく炊けるようになったとのこと。おかずにも、秋田牛や比内地鶏を使ったおかずからとんぶり入りの蒲鉾、こごみ、いぶりがっこと、秋田の食材がオールスターで勢ぞろい。新しいお米に賭ける意気込みが感じられます。残念ながら11月22日で販売予定個数に達したため今季の販売は終了。来年(2022年)の新米シーズンには、再び「サキホコレ」の弁当に出会えるかも(!?)ということでした。
EV-E801系電車・普通列車、男鹿線・脇本~羽立間
雪が積もった田んぼのなかを、非電化区間でも、最新鋭のバッテリーで走ることができる男鹿線の電車が駆け抜けて行きます。米の品種改良同様、鉄道車両も改良が続きます。雪の多い地域では、雪が積もることで田んぼが「休める」ため、土の力が回復してお米が美味しくなると言います。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/