転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回のテーマは、「最短で転職する方法」についてです。


(質問)
今働いている会社が倒産しそうです。最短で後悔しない転職をするコツはありますか?

(回答)
会社倒産という予想外の事態に直面すると、どうしても「どこでもいいから早く内定がほしい」と焦りがちです。しかし、焦りによる決断は、入社後のミスマッチや後悔を招くリスクがあります。「採用意欲の高い求人の見極め」「プロの知見の活用」「生成AIの有効活用」という3つのポイントを意識しましょう。

詳しくは以下で解説します。

■【ポイント1】採用意欲の高い求人を見極める
スピード感を持って求人への応募から内定までを獲得するには、いかに効率よく「企業の本当の姿」を捉えるかが重要です。以下の3つの視点を紹介します。

「急募」や「入社時期」から企業の熱量を見抜く
「急募」や「○月入社可能」と記載された求人は、企業側が早期の採用を強く希望しているサインです。こうした求人は書類選考や日程調整のレスポンスが早く、面接回数も少ない傾向があります。まずはこのような求人を優先的にチェックし、内定までの期間を短縮していきましょう。

「カジュアル面談」で職場の雰囲気を体感
内定までのスピードを重視するあまり、社風や人間関係の確認がおろそかになるのは避けたいところです。本格的な選考が始まる前に「カジュアル面談(書類選考や面接など、正式な選考に入る前の面談のこと)」を申し込んでみましょう。
選考ではない場だからこそ、求人では分からない職場の雰囲気を感じることができます。

「オンライン面接」でスキマ時間を活用
現在はオンライン面接が主流です。「19時以降」や「昼休み」など、働きながら調整が可能な時間を打診してみましょう。柔軟に対応してくれる企業は、それだけあなたを高く評価している可能性が高いです。

■【ポイント2】プロの知見を活用する
1人では視野が狭くなりがちなときは、転職のプロであるキャリアアドバイザーに頼ることもおすすめです。一般的に、転職エージェントは求職者の入社が決まった際に企業から「紹介料」を受け取るため「紹介料のために求人を紹介しているのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれません。しかし、多くの契約には早期離職した場合の返金規定などがあります。入社してすぐに辞めてしまうと、キャリアアドバイザーは受け取った紹介料を企業に返金しなければなりません。

つまり、キャリアアドバイザーにとっての本当のゴールは「入社させること」ではなく、「入社後にその人が活躍し、長く定着すること」なのです。あなたの希望を無視した強引なマッチングをした場合は、とても大きなリスクとなります。キャリアアドバイザーを頼ると、キャリアアップを狙う「挑戦的な求人」と早期内定を狙える「確実性が高い求人」をバランスよく提案してくれるなど、自分1人で探すよりも時間を短縮しつつ、リスクを抑えた転職活動ができるでしょう。

さらに、自分の経験を「企業の求める言葉」に置き換えて、履歴書や職務経歴書作りを手伝ってくれるという点も、キャリアアドバイザーに頼る大きなメリットです。
自分では当たり前だと思っていた実績も、プロが企業のニーズに合わせた表現に磨き上げることで、採用担当者の目に留まりやすいものにブラッシュアップできます。

■【ポイント3】生成AIを有効活用する
限られた時間で質の高い準備をするために、生成AI(ChatGPTなど)もフル活用しましょう。

まず、最も効果を実感できるのが、書類作成の効率化です。これまでの実績を箇条書きにして、志望動機の作成をAIに依頼すれば、すぐに立派な文章にしてくれます。これをベースに自分の言葉を付け加えることで、1から悩む無駄な時間を削減しつつ、質の高い応募書類を作ることができます。

また、AIとの対話は、自己分析にも繋がります。自分一人では気付きにくい強みを客観的に整理し言語化していく作業は、生成AIの得意分野です。さらに、志望企業の特徴をAIに伝えれば、模擬面接も行えます。想定外の質問への回答を事前に準備しておくことで、面接当日も自信を持って挑めるでしょう。

■逆境の中でも、納得のいくキャリアを
「会社が倒産するかも」という今の状況は、平常心でいる方が難しいかもしれません。ただ、倒産という会社都合による失業の場合は、「特定受給資格者」として扱われ、一般的な自己都合の退職よりも手厚いサポートが受けられます。通常2~3カ月は失業保険がもらえない期間が発生しますが、7日間の待機で受給対象になります。
また、給付日数も自己都合より長く設定される(最大330日など)ため、生活の不安を抑えて転職活動に集中できるでしょう。さらに、もし給料や退職金が支払われないまま倒産した場合、国が未払額の8割を立て替えてくれる制度もあります。

こうした“もしも”の時に自分を守れる制度も踏まえつつ、最新のツールやプロの知見を最大限に活用して、納得のいく転職に向けて1歩ずつ進んでいきましょう。焦らずに落ち着いて行動すれば、その先にはきっと、明るい未来が待っているはずです。
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