国家公務員の給与は、「俸給(基本給)」を土台に、生活状況や勤務条件に応じたさまざまな「手当」が上乗せされる仕組みになっています。人事院によると、国家公務員には仕事の種類に応じて複数の俸給表が設けられており、昇格・昇給には勤務成績や能力なども反映されます。


今回は、人事院の「国家公務員の諸手当の概要」および「令和8年(2026年)国家公務員給与等実態調査」をもとに、国家公務員の給与の仕組み、代表的な手当、そして年代別の平均給与月額を紹介します。

■まずは土台となる「俸給」
国家公務員の給与のベースとなるのが「俸給」です。

俸給は、職種に応じて定められた「俸給表」を基礎に、職務の複雑さや責任の度合いなどを示す「級」と、能力・経験・実績などに応じて決まる「号俸」の組み合わせで決まります。

一般的な行政事務を担う職員には、主に「行政職俸給表(一)」が適用されます。俸給表には、係員、係長、課長など、職務の段階に応じた「級」が設定されており、昇格や昇給には勤務成績や能力などが反映されます。

この俸給に、扶養手当や住居手当、地域手当などの諸手当が加わり、毎月の給与となります。人事院の「平均給与月額」は、俸給だけでなく、地域手当、俸給の特別調整額、扶養手当、住居手当などを含んだ金額です。一方、通勤手当や超過勤務手当などは含まれていません。

■生活に関わる代表的な手当
数ある手当の中でも、特に多くの職員に関係する代表的なものを紹介します。

【扶養手当】
扶養親族のある職員に支給されます。2026年4月現在、子は1人につき月額1万3000円。16歳の年度初めから22歳の年度末までの子には、さらに月5000円が加算されます。


【住居手当】
借家・借間に住む職員などに支給され、最高で月2万8000円です。

【通勤手当】
通勤に利用する交通機関や距離などに応じて支給され、支給限度額は月15万円です。

【地域手当】
民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給される手当で、東京都特別区では対象となる給与月額の20%が加算されます。

【寒冷地手当】
積雪や寒冷の厳しい地域に勤務する職員に、11月から翌年3月までの間、地域や世帯の状況に応じて支給されます。

このほかにも、単身赴任手当、特地勤務手当、管理職向けの手当、在宅勤務等手当など、職員の勤務場所や職務、生活状況に応じてさまざまな手当があります。

■賞与にあたる「期末手当」と「勤勉手当」
民間企業の賞与に近い役割を持つのが、「期末手当」と「勤勉手当」です。いずれも年2回支給され、勤勉手当は勤務成績などが支給額に反映される仕組みです。

年間の支給月数は年度によって改定されます。2026年度については、現時点の制度上、期末・勤勉手当を合わせて年間4.65月分となっています。

ただし、これは「平均給与月額に4.65を掛ければ賞与額が出る」という意味ではありません。期末・勤勉手当は、俸給月額や地域手当、扶養手当などを基礎として計算されるため、実際の支給額は職員によって異なります。

■年代別に見る、国家公務員の給与の目安
では、国家公務員の給与は年代によってどのくらい違うのでしょうか。


人事院の「令和8年(2026年)国家公務員給与等実態調査」では、行政職俸給表(一)が適用される職員について、年齢階層別・最終学歴別の平均給与月額が公表されています。

今回の表では、年収の試算は行わず、人事院が公表している平均給与月額をそのまま紹介します。
国家公務員の手当にはどんな種類がある?平均給与月額も紹介

20代では、高校卒の平均給与月額が約25万~29万円、大学卒が約28万~30万円。30代になると、高校卒は約32万~38万円、大学卒は約34万~41万円となっています。

40代では、高校卒が約41万~44万円、大学卒が約46万~51万円。50代になると、高校卒は約47万~51万円、大学卒は約53万~55万円となっています。

年齢階層が上がるにつれて、平均給与月額も高くなる傾向が見られます。また、大学卒は高校卒より高い水準で推移しており、特に40代以降ではその差が大きくなっています。

ただし、これはあくまで年齢階層別の平均値です。個人の給与は、職務の級や号俸、勤務地、扶養状況、勤務成績などによって異なります。

また、「年齢が上がれば自動的に給与が上がる」という仕組みではありません。昇格・昇給などによって給与水準が変化するほか、同じ年齢でも職務や勤務地などによって給与は異なります。


▼国家公務員の年収を知りたい場合は?ここまで見てきた「平均給与月額」は、毎月支給される給与の平均です。実際の年収には、このほかに期末・勤勉手当が加わります。

年収を具体的に知りたい場合は、人事院が公表している「モデル給与例」を確認するとよいでしょう。

参照:国家公務員の給与制度の概要
   令和8年国家公務員給与等実態調査報告書

■国家公務員の給与は「俸給+手当+賞与」で見る
国家公務員の給与を考えるときは、俸給だけでなく、扶養や住まい、通勤を支える手当、勤務地に応じた手当、そして期末・勤勉手当まで含めて見ることが大切です。

今回紹介した平均給与月額を見ると、年齢階層が上がるにつれて給与水準が高くなる傾向がある一方、実際の給与は職務や勤務地、扶養状況などによって変わることも分かります。

「国家公務員の給与はいくら?」と気になったときは、俸給だけでなく、どのような手当が加わるのかまで確認することがポイントです。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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