BEASTARS』の板垣巴留、『映像研には手を出すな!』の大童澄瞳、『神風怪盗ジャンヌ』の種村有菜ら、マンガ家8名と名作文学のコラボが実現。夏の児童文庫フェア「キミはまだ、名作の面白さを知らない」で、各マンガ家がそれぞれの作品のカバーイラストを担当している。


「キミはまだ、名作の面白さを知らない」では、『ソラニン』の浅野いにおが『坊っちゃん』(夏目漱石)、『宝石の国』の市川春子が『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)、『大きい犬』のスケラッコが『注文の多い料理店』(宮沢賢治)、『BEASTARS』の板垣巴留が『ドリトル先生』(ロフティング)、『魔法陣グルグル』の衛藤ヒロユキが『オズの魔法使い』(バウム)、『映像研には手を出すな!』の大童澄瞳が『十五少年漂流記』(ベルヌ)、『おとめ妖怪ざくろ』の星野リリィが『ジキル博士とハイド氏』(スティーブンソン)、『神風怪盗ジャンヌ』の種村有菜が『おちゃめなふたご』(ブライトン)の一場面を選んでカバーイラストを描き下した。

「キミはまだ、名作の面白さを知らない」フェアは2020年6月中旬より全国書店にて順次展開予定だ。
また、描き下ろしイラストを使用したオリジナルトートバッグ「どこでも名作トート」が当たるプレゼント企画も実施。詳細は商品の限定カバー、もしくは「ポプラ社」特設ページ(6月15日公開)まで。

<以下、コメント全文掲載>
浅野いにお先生からのメッセージ(担当作:『坊っちゃん』夏目漱石)
どこまでも真っ直ぐな気持ちを曲げない「坊っちゃん」。赴任先の中学校で次々と起こる珍騒動を軸に、ともすれば危なっかしいその正義感は、 周りの大人達をおおいに引っ掻き回してゆく。
江戸っ子らしい気っぷの良さと、「べらんめえ」で語られる大人達は極めて人間味に溢れ、 辛辣ながらも人への愛情が深い。舞台となった松山の抜けるような空を想わせる、気持ちの良い作品です。

板垣巴留先生からのメッセージ(担当作:『ドリトル先生』ロフティング)
心が通っていなければ楽しい会話はできない。愛情深いドリトル先生だからこそ動物の言語を修得できたのだと思う。

市川春子先生からのメッセージ(担当作:『銀河鉄道の夜』宮沢賢治)
宮沢賢治はいつも、この世界と、遠い別の世界とを混ぜてお話を作ります。なのでわかるところとわからないところがあると思いますが、好きなふうに読んでいいと思います。

この『銀河鉄道の夜』にも、怖かったり寂しかったり、きれいなものの中にちょっと嫌なものが混ざっていたり、なんだかわからないことがいくつかあるかもしれませんが、それはそのままにしておいて大丈夫です。
いつか大人になり、なんか色々あった後もう一度読むと、驚くほどぜんぶわかるようになっています。それまで長い楽しみをくれるのが、宮沢賢治のお話のすごいところです。

衛藤ヒロユキ先生からのメッセージ(担当作:『オズの魔法使い』バウム)
世の中は強さや正しさだけでできているのだろうか?高校生のころそんな疑問を持った僕がまず手にしたのは児童文学やファンタジー小説でした。
家ごと竜巻で吹っ飛ばされた女の子が、ヘンな仲間たちとともに魔女に立ち向かう『オズの魔法使い』は、120年前に描かれたファンタジーの古典ですが、「ヘンでもいいんだ、変則もありなんだ、 あと笑いも必要ね」と語りかけてくれます。これぞ生きる知恵だと僕は思います。あなたの人生にもヘンと笑いを!

大童澄瞳先生からのメッセージ(担当作:『十五少年漂流記』ベルヌ)
“SFの父”と呼ばれているジュール・ベルヌの書いた少年冒険小説! 自然・科学にも理解が深かったベルヌの書いたこの小説は、様々な気象や生物が少年達に立ちはだかる。
少年達がそれらを乗り越えるのもまた、自然や科学を応用した頑張りなのだ。あなたが彼らの一員だったら、襲い来るたくさんの困難にどう立ち向かうだろうか?

スケラッコ先生からのメッセージ(担当作:『注文の多い料理店』宮沢賢治)
『注文の多い料理店』は昔から大好きなお話です。題名を聴いただけでワクワクしませんか?「どんな料理がでてくるんだろう。」「行ってみたい!」って。しかし、そのお店には思ってもみない「注文」がたくさんあるのでした。
宮沢賢治のお話の中では、りすや森が話しだすし、電信柱は行進したりと賑やかです。
そして人間、動物、自然がみんな対等な関係にあります。その世界をみなさんに体験して欲しいと思います。

種村有菜先生からのメッセージ(担当作:『おちゃめなふたご』ブライトン)
真夜中のパーティとはなんと魅力的なことでしょう。可愛いケーキにお菓子たち、パジャマにガウン姿、何を話しても楽しい友達、そしてそれは大人には秘密なのです。
とても些細ないたずら心は大きな経験と思い出になるでしょう。ぜひクレア学院に入学した気になってふたごと共に素敵な毎日を過ごしてみてはいかがでしょう?

星野リリィ先生からのメッセージ(担当作:『ジキル博士とハイド氏』スティーブンソン)
怪奇小説、または推理小説でもあるとても有名な古典作品です。読んだことのないみなさんもタイトルは知っていたりするのではないでしょうか。人間の善と悪の葛藤や理想の自分でありたいという願望が物語のテーマになっていて、今読んでもまったく色褪せることがなく楽しめる作品です。
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