SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使っていると、さまざまなトラブルが起きる。皆さんも思い当たることがあるのではないか。
なぜSNSではトラブルが起きやすいのだろうか。その5つの理由と対策について考えていこう。
(1)文章・画像のみのやり取りは難易度が高い
メールでのコミュニケーションがうまくいかず、トラブルになった経験がある人もいるだろう。対面でのコミュニケーションでは、言葉だけでなく、視覚や聴覚も利用できる。そのため、相手の表情や声の調子などから自分の言葉がどのように受け取られたかがわかり、誤解されていたらフォローもできる。
一方、SNS上では通常、文章・画像のみでコミュニケーションするため、誤読を生みやすい。さらに、相手を怒らせてしまってもすぐにわからないため、トラブルにつながりやすくなる。つまり、SNSを使ったコミュニケーションはそもそも難易度が高いのだ。
(2)共通のルールやマナーがない
手紙には長い歴史があり、良いとされるルールやマナーがある。メールにも手紙文化を引き継いだルールやマナーがあり、マナー本などを見てその通りに振る舞えば特に問題は起きない。
ところが日本ではSNSの歴史は、2004年のmixiやGREEから始まっている。つまり、SNSの歴史は非常に浅く歴史が短く、SNSにおける共通のルールやマナーは定まっていない。
(3)ツールによりコミュニケーションが異なる
コミュニケーションツールにはさまざまなものがあるが、それぞれ同期・非同期型、感情の伝わりやすさ・伝わりにくさ、送り手側から見た送りやすさ・送りにくさは異なっている。
たとえば手紙は非同期型で感情が伝わりづらく送りづらい。一方、固定電話は同期型で感情は伝わりやすいがかけづらい。携帯電話は同期型で感情が伝わりやすくかけやすいという具合だ。メールは非同期型で感情が伝わりづらいが、送りやすいツールだ。つまり、その人がどのツールベースでコミュニケーションを考えているかによってコミュニケーションは大きく変わってしまうのだ。
SNSのなかでもLINEは、ほぼ同期型で感情は伝わりづらいが送りやすい。リアルタイムにやりとりでき送りやすいため、人はどんどんLINEを送ってしまう。ところが意思疎通が必ずしもうまくいくとは限らない。また、相手の生活時間に無理やり入り込んでしまうツールのため、受け取った側にとっては迷惑になる可能性があるのだ。
(4)年代・サービスにより使い方が違う
SNSにはさまざまなサービスがある。
年代でも使い方が異なる。たとえばLINEは直接の知り合い同士つながることが推奨されているが、10代の若い子たちはTwitterで盛り上がった知らない相手ともLINEで気軽につながる傾向にある。それどころか、Twitter上でLINEの友だちを積極的に募集したりもしている。
また、人によってもSNSの使い方は異なる。LINEの返事が遅くても気にしない人もいるが、「既読スルー」を嫌い、すぐに返事がこないと不快に感じる人もいる。このようにSNSの使い方や感覚が異なる場合、トラブルにつながりやすくなる。
(5)中毒性が高く、劣等感を感じやすい
SNSの代表的なトラブルといえば、中毒性の高さだろう。また、他人の投稿などを見ることによって落ち込むことがあるのは広く知られている。
もともとSNSは中毒性が高いとされる。2016年6月13日付「WIRED」記事『研究が裏づける、ティーンエイジャーの脳の「いいね」依存』によると、ソーシャルメディアで自分の投稿に「いいね!」がつくと、脳の側坐核という部位が活性化されるという。側坐核は脳の報酬系回路部分であり、欲求が満たされたときに活性化して快感を与える。煙草やギャンブルなどによる快感にも関係しており、依存症にも関係するといわれている。
SNSはFacebookでもInstagramでも、ちょっと盛ったリア充投稿をする場だ。しかしそれゆえに、他人の幸せそうな投稿を見ることによって落ち込む人が後を絶たない。また、友だちの数、「いいね」やRT、コメントなどの数が見えるため、自分と他人が比較しやすく、劣等感を刺激しやすい点も問題につながっている。
●SNSはリアルの補完ツール
SNSはこのようにトラブルが起きやすい側面がある。しかしその一方で、交友関係が広がったり、有用な情報が得られたりなど、うまく使えばとてもいいツールとなる。
まず前提として、SNSごとの特徴とトラブルのパターンを知り、適切な付き合い方を身に付けよう。あらかじめ知っておけば、トラブルを避ける方法はそれほど難しいわけではない。SNSはリアルの補完ツールであり、SNSだけでコミュニケーションしようとしないことが大切だ。
たとえば既読スルーを嫌う人は、返事がないことで自分が嫌われている、相手が怒っていると感じてしまって怒りだすものだ。そこで、「返事が遅いけどごめんね。なるべくその日中に返事するね」などとあらかじめ断っておけば、嫌われたり怒られたりしているのではないとわかって問題にはなりづらくなるのだ。
相手がそのSNSをどのような使い方をしているのかは、リアルに対面したときに聞いておこう。相手との人間関係ができていれば、返事が遅いくらいでは問題は起きないし、相手に迷惑になる頻度や時間帯に送ったりもしなくなるだろう。
一億総SNS時代となって久しい。しかし、SNSはあくまでリアルの生活を充実させるための補助的なツールだ。SNSに使われるのではなく、うまく使いこなすようにしていきたい。
(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)











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