日本の「片づけ文化」を世界的なムーブメントへと昇華させたプロデューサー、川原卓巳。
近藤麻理恵さんのプロデュースを通じて、著書は累計1,400万部のベストセラーを記録。
国境を超え、新たな価値を創り出し続ける川原氏。そんな彼が今回対談するのは、女性向けキャリアスクールを展開するSHE株式会社代表取締役CEO・福田恵里さんです。
滋賀の田舎町で育ち、20歳で渡米。「女性はこうあるべき」という価値観に違和感を抱き続けながら、テクノロジーと女性のキャリアを結びつけるという、日本では前例のなかった選択肢を形にしてきた福田さん。
本対談では、SHElikes誕生の原点にある“違和感”と、女性の自己肯定感を阻む無意識の"呪い"、そして地方と女性が持つ未活用の可能性について、具体的な実践とともに掘り下げていきます。
○「みんなと同じ」が正解だという感覚
――本日はよろしくお願いします。以前ご挨拶はさせていただきましたが、こうして改めてお話するのは初めてですね。恵里さんは女性のキャリアというジャンルで新たな道を切り開いていますが、まだまだ世の中はあの人だからできた、自分には難しいと思っている方が多い印象。恵里さんはどういう生き方をしてきて女性の働き方をテーマに事業をするようになったのか、僕としても興味深いです。
「滋賀県のかなり田舎で育ちました。小さい頃は"人と違うことをしたい"タイプだったんですけど、人と違うといじめられるというのを経験して処世術として"みんなと同じ"であることが大事なんだと学習してしまいました。
――転機になった出来事は何でしたか?
「経営コンサルタントの大前研一さんの本をたまたま読んだ時。人が変わる方法は実は3つしかない。住む場所、付き合う人、時間配分。一番無駄なのは”決意を新たにすることだ”という言葉が刺さってしまった私は、変わりたい、今のままじゃダメだ、とは分かっているけどどう変えたらいいか分からないと思っていた時だったので、住む場所を変えよう!付き合う人も変わるし!と思ってアメリカのサンフランシスコに行きました。それが本当に人生の転機になりました。
――なぜサンフランシスコに?
「当時の私はECという言葉も知らずインターネットもよく分かってない、シリコンバレーが近いとかスタートアップ自体も知らずに、ただ子どもの頃に見たフルハウスが好きでその可愛いイメージだけで選びました。ギャルマインドです(笑)。サンフランシスコはご存知の通りITスタートアップの聖地で、同じ20歳なのにパソコン1台でプログラミングやデザインを駆使してアプリなど作っていて、世界を変えるんだ!と奔走している姿を目の当たりにしてそのかっこよさに感動してました。起業家になるならデザインとプログラミングを学べば良いと教わり、帰国後も休学を延長してまでスクールや勉強会に通いました。」
○スキルよりも、生き方の悩みを解決することが必要
――それがSHElikesの原点なんですね。すぐに起業ではなく就職したのはなぜ?
「自分の足りなさも自覚していたので、起業の武者修行的に成長できて起業家輩出で有名だった会社に就職を決めました。副業として続けていたウェブスクールにデザインやプログラミングを学びに来る方が、学びたいというよりは今のキャリアや生き方にモヤモヤしている人が多いと感じていたところに同僚から起業を誘われ、2年間の勤務の末、共同創業に至ります。」
――SHElikesで一歩踏み出せるようになるきっかけや、逆に何が壁になっていることが多いのでしょうか?
「日本の女性は世界で一番自己肯定感が低いというデータがあるくらい、半歩下がることを美徳とする社会規範で育っているのでまず、自分を卑下する必要が無いことを話します。
○自分にしかない価値に目を向ける
――言葉では理解できるし女性の生きづらさの根源はそこだと僕も感じている。でも実際その呪いを解くってものすごく難しいと思う。どうやっているんですか?
「何十年と生きてきた中での成功体験も自分を強くしている一種の鎧なので、それを脱ぎ捨てたり解き放ったりするのは相当時間がかかるし心理的柔軟性が育ってないと受け取れない人が多いのは事実です。SHElikesでは最近の怒ったことや悲しかったことを羅列してどういう価値観が反応しているのかを一緒に紐解いていきます。それを繰り返していくことで自分の片鱗が見えてくるしそれが強みとして紙一重になっていることが往々にしてあるので、無くすわけではなくメタ認知できるようにしていく。大事なのは呪いから解放するだけではなく、自分にしかない才能や最高価値をどれだけ最大化するかに目を向けていくことです。」
――プロデュースしていると女性のキャリアの相談やパートナーシップの相談が多いのを感じていたので、恵里さんが女性に対して大きな価値を見出しながら、世の中が求めている部分も伝えていって関わった方を良い未来に導いてくれる人がいるというのはものすごく嬉しい。
「SHElikesは"パソコン一台でどこでも働くスキルが学べるスクール"、"手に職つけて年収アップ!"みたいな機能面が注目されがちなんですが、それは氷山の一角で。提供しているのはマインドセットや価値観の変革の方で、人生の財産としてレバレッジがかかるし考え方やマインドが変われば行動や結果の質は自ずと変わります。そこを育むと数年かけて変わっていく人が多いです。自分を解放した女性が大袈裟じゃないくらい人生大逆転していて。
○"女性だから"を外した先にある日本の未来
――これからの日本、世界は女性の持っている才能がもっと活かされていくことで大きな変化を生むし、今一番使われていないリソースの一つだと強く思っています。より多くの女性が解放されるために必要なことって何だと思いますか?
「課題として感じているのは地方への価値提供の少なさです。どの自治体も課題は若年女性の人口流出だと言います。その理由は、日本は製造業が多く地方に住む女性が工場で長時間労働が難しいから都心に仕事を求めて流出していくところにあります。地方で子どもが生まれなければ雇用も生まれない、どんどん過疎化して悪循環に陥る。若年女性が地方で子育てや雇用を生み出す構造をどう作るかが今後の日本の重要課題だと感じています。」
――僕自身、日本の地方にこそポテンシャルの高い人も商品も会社も観光があることを感じて、そこに価値を見出してビジネス化できる人が圧倒的に足りないという現状を目の当たりにしてきました。
「良いものを作っているのに価値を届け切れていない場合、その価値を具現化するデザインやマーケティングなどの手段が必要です。それを実現できる武器と勇気を提供しているのがSHElikesです。地方の産品で地方ブランドが上がっていったり雇用を作れたりするのは国力が上がることにも繋がると感じています。」
「創業当初からのSHElikesのコンセプト人物像には、変革の象徴ジャンヌダルクを掲げています。女性だから、年齢的に、といった固定概念を取り払って自分自身の可能性に挑戦して解放していくことが今の日本に本当に必要なことだと感じていますし、そこに力添えできることが私の使命だと思っています。」
次元の違うすごい人で自分たち一般人とは違うとみられてしまうからこそ、いくらそうではないと言っても結果が出ていると逆に説得力がなくなる。凡人ということを声高々に叫んでいきたいと思っていると話す福田さん。ヒト・モノ・コト・地域、必ずすべて唯一無二の価値を持っているからこそ、無意識的な価値観や当たり前という思い込みをまず外す――そのための環境や情報に触れる機会を増やすことの重要性を感じる対談でした。
今回お話をうかがったのは…
SHE株式会社 代表取締役 / CEO・CCO 福田恵里氏
大阪大学在学中、サンフランシスコ・韓国に留学。帰国後に学生時代に初心者の女性向けのウェブデザイン講座を立ち上げ、300名以上が受講。2015年リクルートホールディングスに新卒入社。2017年4月、26歳の時にミレニアル女性向けのキャリア支援を行うSHE株式会社を設立。主要事業である「SHElikes」の累計受講者数は20万名を突破。2020年に同社代表取締役CEOに就任。プライベートでは2児の母。
※本記事は対談内容をもとにライターが構成・執筆しています
川原卓巳 かわはらたくみ KonMari Media Inc. CEO / Takumi Inc. Founder / プロデューサー / プロデュースの学校創設者。広島県生口島生まれ。2016年にアメリカ移住後、シリコンバレーとハリウッドを拠点にKonMariのプロデュースとブランド構築、マーケティングを手がけるほか、日本発コンテンツの海外展開もプロデュースしている。本記事以外の2人の対談の様子は、以下の動画でご覧いただけます。川原卓巳のビジネス戦略ch【自分らしいプロデュースメソッド】▶︎https://www.youtube.com/@kawaharatakumibusiness この著者の記事一覧はこちら











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