ミュージシャンのGACKTが、自身のマネージャーを名乗る人物による詐欺行為についてSNSで注意喚起した。偽の撮影依頼を装い、店舗側にワイン代などの振り込みを求める手口が確認されているという。
こうした行為について正木裕美弁護士(アディーレ法律事務所)は、「人を欺いて金銭を振り込ませた場合、詐欺罪が成立する可能性が高い」と指摘。さらに、偽の名刺の使用や業務への影響によっては、私文書偽造罪や偽計業務妨害罪に発展する可能性もあると解説する。
巧妙化する“なりすまし詐欺”をどう見抜くべきか。「本人案件だから内密に」と急かす手口に法的効力はあるのか――。被害を防ぐために知っておくべきポイントと、万が一の際の初動対応についても、正木弁護士が解説する。
○偽計業務妨害罪が成立する可能性も
――偽の「撮影依頼」を出し、ワイン代などのお金を振り込ませる行為は、法的にどのような罪になりますか?
まず、お金をだまし取った点についてです。犯人側の目的はお店の営業を邪魔することではなく金品を得ることを目的としていると考えられます。そして、偽物の名刺を使ってGACKTさんのマネジメント事務所のマネージャーであるかのように装って撮影依頼だとウソをついてだまし、被害者にワイン代等を振り込ませています。被害者はウソだとわかっていれば振り込みはしなかったでしょうから、「人を欺いて財物を交付」させたとして、被害者に対する詐欺罪が成立します。
なお、単なる名刺を偽造して配っても犯罪にはならないですが、偽物の名刺を作って名刺に添え書きするなどして「人の意思や観念が表示されている」と評価できる場合には、私文書偽造罪・偽造私文書等行使罪になる可能性があります。
また、GACKTさんの事務所関係者を騙ってこのような行為をすればGACKTさん側の業務を妨害するおそれがありますので、偽計業務妨害罪が成立する可能性もあります。
――犯人は「実在した元関係者の名前」や「古い名刺」を悪用しているようですが、これを見抜く法的・事務的なポイントは?
実在する氏名やデザインでウソだと見抜くのは特に難しいと思いますが、詐欺の手口はどんどん巧妙になっています。
振り込め詐欺やフィッシング詐欺と同様、相手が言っている内容や名刺に記載された内容が絶対的に正しいとは思わず、自分で公式HP等にアクセスして社名、住所、連絡先といった会社情報が正しいかを確認しましょう。架空、電話が繋がらないということがないか、役職が存在するかなどの企業情報を確認し、企業に直接連絡して内容を確認することも必要です。
他にも、名刺印刷に不自然な点がないか、例えば、紙が安っぽいなど品質が悪い、精細さ(文字やロゴなどに不自然なにじみ、ずれ、すれ、ぼやけ、凹凸などがないか)、ロゴがHPと同じか、日本にない文字が使われていないかなど、不自然な点がないかも確認しましょう。
――「本人案件だから内密に」と急かされるケースが多いようです。こうした「口止め」に法的な効力はあるのでしょうか?
契約で取り引き相手に秘密保持義務を課すことは確かにあり、公序良俗に反する内容でない限り可能です。口頭での約束も有効で、企業秘密、和解などでも利用されています。詐欺だとバレないための口止めに法的効力はありませんが、詐欺だとわからなければ判断に迷うのではないでしょうか。
確かに、有名人の関係者だと偽られていたら、迷惑を掛けてはならないと思ってしまったり、内密にしないと責任問題になるかもしれないと信じてしまったりすることもあるかもしれません。また、撮影現場に利用されることは、店の広告宣伝としてもメリットがあるという思いが眼を曇らせてしまうこともあります。
しかし、前提として、急がせて、考えたり相談したりするいとまを与えないこと自体詐欺の典型例です。
詐欺に限らず、前払いは商品・サービスが届かない、倒産などのリスクをはらんでいますが、高額な初回取り引きとなるとなおさらリスク大です。口止めに安易に応じず、きちんと裏付けを取るために企業への確認作業を行うことを毅然と示し、内密でというなら先払いで代金を払ってもらうなど、自社のリスクを減らす防衛を優先しましょう。
――万が一、被害に遭いお金を振り込んでしまった場合、法的に「まず最初にすべきこと」は何ですか?
犯人が捕まり、犯人が潤沢にお金を持っていて容易に回収が可能……なんて状況はまず考えられません。詐欺の被害金の回収に重要なのは、振込先の口座にできるだけ多くの残高を残すことです。
いわゆる「振り込め詐欺救済法」という法律があり、金融機関口座等への振り込みが利用された詐欺等では、犯罪に利用されたと疑うに足りる相当な理由があるときには、その口座を凍結し、口座にある残高を原資として被害者額で按分し「被害回復分配金」として払う制度があります。複数の被害者がおり、口座残高<被害額となると被害額全額の回収は困難になるので、できるだけ早く凍結して、犯人側が口座から引き出しできないようにすることが重要なわけです。被害に気付いたら、まずは警察(最寄りの警察署や#9110)に連絡して被害申告し、その後、振込先の金融機関に連絡して口座凍結を求めましょう。なお、仮に口座に残高が残っていたとしても、実際に支払いを受けるまでには一般的には半年以上かかるとされていますので、資金繰りなどは別途検討する必要があります。
――芸能事務所が「高額商品の購入や送金を外部(店舗等)に依頼すること」は、法的な商習慣としてあり得るのでしょうか?
代理購入自体は犯罪ではなくビジネスの中で適法に行われることはありますが、現在代理購入を装った詐欺が問題視されています。
GACKTさんの事務所も「弊社が外部の店舗・事業者様に対し、・高額商品の購入を依頼すること・特定の仕入れ先を指定し、送金を求めることは一切ございません」と表明していますが、店舗等取引したことがない相手に対し、振込先を指示し、高額なお金を振り込ませるというのは一般的ではありません。
しかし、本件のように、実際に存在する企業名を名乗り、工事など仕事の依頼を装った上で、「業者とトラブルになって購入できない。
■アディーレ法律事務所 正木裕美 弁護士
一児のシングルマザーとしての経験を活かし、不倫問題やDV、離婚などの男女問題に精通。TVでのコメンテーターや法律解説などのメディア出演歴も豊富。コメンテーターとして、難しい法律もわかりやすく、的確に解説することに定評がある。











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