三井不動産と日立製作所は、三井不動産が保有する全国約200棟のオフィスビルを統括する危機管理センターの災害対応力強化に向け、生成AIの一つである小規模言語モデル(SLM)を活用したオフライン型災害対策支援システムの共同開発を開始した。

同システムは、三井不動産の危機管理ノウハウと、日立のビルソリューションにおける経験・AI技術を融合させた取り組み。
大規模災害時に懸念される通信遮断や外部サーバー障害の影響を受けないよう、ローカル環境で動作する仕組みを採用した。生成AI(SLM)はこの基盤上で、初動対応の判断に必要な情報整理や対応案の提示を行い、センター員の判断を支援する。

三井不動産が蓄積してきた膨大な運用マニュアルや熟練者の知見をAIに学習させ、図表情報の読み取りが可能な視覚言語モデル(VLM)も導入することで、汎用的なモデルと同等の回答精度を実現した。被災状況を入力すれば、立地や設備が異なるビルごとの特性に合わせ、優先すべき初動ガイダンスを自動提示する。これにより、担当者の経験に依存せず、正確な判断と迅速な復旧対応が可能となる。

両社は実証を経て早期の本格稼働を目指す。さらに、この成果を日立のビル向けソリューションとして他社へも展開し、業界全体のレジリエンス向上と持続可能な街づくりの実現に貢献していくとしている。
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