シニア人材サービスを展開するマイスター60は2026年4月17日、シニアを雇用する企業の人事担当者500名を対象に実施した「シニア雇用に関する実態調査」の結果を公開した。本調査は2026年4月の在職老齢年金制度改正を踏まえ、シニア側の就業意欲と企業側の受け入れ体制のギャップを明らかにすることを目的としている。
調査は2026年3月19日~22日の期間、インターネットリサーチにより行われた。

○制度改正の理解が進む企業の78.1%がシニアの雇用方針を見直しへ

2026年4月の在職老齢年金制度改正を受け、全体では49.4%がシニアの雇用を増やす、または勤務条件を見直すと回答した。特に制度改正の「内容を理解している」企業では「78.1%」が雇用拡大や条件見直しを検討している一方、「知らなかった」企業では9.9%にとどまり、制度の認知状況が方針を左右している。
○シニアの「週4日以下」希望に対し、企業の52.2%が短日数求人を未実施

第一弾調査では、就業意向のあるシニアの72.0%が「週4日以下」の勤務を希望していた。

これに対し、企業側で60歳以上向けに短日数求人を一度も出したことがない割合は52.2%となった。シニアが望む無理のない働き方と、企業側の求人設計の間に明確なミスマッチが生じている。

○短日数求人を出さない理由の30.7%は「検討不足」が要因

過去1年間に短日数求人を出さなかった理由は、「そもそも検討したことがない」(30.7%)が最多となった。次いで「正社員との処遇差による不公平感」(22.2%)、「社内制度の欠如」(20.7%)と続く。コストや制度上の制約よりも、検討の機会自体がないことが短日数雇用の導入を阻んでいる実態がある。
○「分業モデル」の導入は63.8%の企業で実現可能と回答

1名分の業務を「週2日の人」と「週3日の人」の2名で分担する働き方について、「十分実現できる」「工夫すれば実現できる」と回答した企業は合計で63.8%に達した。具体的な運用モデルがあれば過半数の企業が前向きに捉えており、業務設計の見直しによる導入余地は大きい。
○働き方の選択肢を提供する企業は77.3%がシニア雇用拡大に意欲的

短日数の働き方を「積極的に提供している」企業では、今後のシニア雇用を「増やしたい」とする意向が77.3%となった。
一方で提供していない企業ではわずか8.3%にとどまっている。柔軟な働き方の選択肢を用意しているかどうかが、シニア雇用の拡大意向に大きな差を生んでいる。
○働き方の再設計が人材確保の鍵

本調査により、シニア雇用の拡大には制度改正による意欲向上、制度認知の拡大、そして短日数や分業といった「柔軟な働き方の設計」が重要であることが示唆された。人材や制度は整いつつある中で、企業側が前例に囚われず業務設計を見直すことが、今後の人材確保の鍵を握ると推察される。
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