日経平均株価がついに6万円台に突入しました。そんなニュースを見ると、「日本株を買っておいたほうがいいのでは?」と考える人は多いでしょう。
ところが、資産形成の話になると、いまだに「新NISAなら全世界株式や米国株がおすすめ」と言われるのはなぜなのか……。

そこで今回、「日本株がこれだけ上がっているのに、なぜ海外株なの?」の疑問に答えるべく、日経平均6万円の背景と、それでも海外株が有力候補とされる理由をわかりやすく解説します。

日経平均株価6万円台の背景

日経平均株価は2026年4月27日に史上初めて6万円の大台に乗り、その後もほぼ6万円台をキープしています。これは、日本経済全体が急成長したからではありません。

日経平均株価は日本を代表する225銘柄から構成される株価指数です。株価が高い銘柄の影響が大きく出るのが特徴です。

4月27日のデータを見ると、上位4銘柄(アドバンテスト、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ)だけで寄与度が35%を超えています。つまり、225銘柄のうちのたった4銘柄で日経平均の3分の1以上を動かしているというわけです。この4銘柄のうち3銘柄は世界的ブームとなっているAI・半導体関連の銘柄、残りの1つは世界展開をしている"ユニクロ"と考えると、売上の多くを海外で生み出している世界企業ということがわかります。

このように、日本企業ではあっても、実態は、世界で稼ぐ"グローバル企業"が日経平均を押し上げていると言えるでしょう。

この他にも、日経平均が上がっている要因として次のようなものがあります。

●円安による輸出企業の利益増
●海外投資家による日本株買い
●企業の株主還元強化

特に近年の円安は大きな要因です。
日経平均225社の中には海外で稼ぐ企業が多く含まれています。海外で得た利益は円換算にすると増えるため、円安は輸出企業にとっては追い風になります。

以上のことから、「日経平均株価が大きく上がっている=日本経済全体が強くなった」というわけないことが理解できるでしょう。
海外株に投資する理由

日本株への投資自体が悪いわけではありません。おすすめできないのは、投資先を日本だけに絞ってしまうことです。

日本の市場は世界全体から見るとそれほど大きくはありません。

以下は世界の株式市場の動きを捉える指数として知られる「全世界株指数(ACWI)」の国別構成比です。

米国: 約65%
欧州: 約10%
日本: 約5%
その他先進国: 約10%
新興国: 約10%

※時価総額ベース

日本は5%に過ぎないことがわかります。つまり、日本だけに投資をしていると、残りの95%の成長を取り込めないことになります。
成長分野の中心は海外企業

現在、成長著しい分野として挙げられるのは以下の分野です。

生成AI
●半導体
●クラウド・EC
●ITサービス
●SNS

こうした成長分野の中心は海外企業(多くは米国企業)です。
世界の時価総額上位企業ランキングをご紹介しましょう。


トップ15のうち11が米国の企業です。生成AIやクラウド、半導体といった米国のテクノロジー企業が上位を占めています。

「日本の企業は?」というと、62位にトヨタ、76位に三菱UFJフィナンシャル、80位にソフトバンクグループという100社まで広げてようやく3社が入るレベルです。

毎日使っているスマートフォンを思い浮かべても、OS、検索、SNS、動画、ネットショッピングなど、さまざまなサービスが海外企業のものであることに気づくでしょう。つまり、身近に触れているサービスから成長していく企業が予測できるとすると、やはり海外に目を向けざるを得ないと言えそうです。
「世界全体に投資する」という考え方が支持されるわけ

世界の時価総額ランキングを参照すると、日本株に投資するよりも、米国株に投資した方がよいと結論付けたくなりますが、これも正しくありません。現在は米国企業が世界市場をけん引していますが、20年後、30年後も同じ状況が続くとは限りません。過去を振り返ると、1980年代後半は、日本企業が世界の時価総額ランキング上位を占め、「ジャパンアズナンバーワン」と言われた時代がありました。しかし、その後は皆さんご存じのとおり、長い停滞期に入りました。つまり、その時点で強い国だけに投資するのもリスクになるのです。

一方、世界全体に投資をすれば、米国が成長すれば米国の恩恵を受け、新興国が伸びればその成長も取り込めます。どこが勝者になるかを予想して当てに行くのではなく、世界経済全体の成長を取り組む考え方です。
もちろん、その中には日本も含まれています。そのため、日本企業の成長にも期待しながら、幅広く世界の成長を享受できる投資方法といえるでしょう。

個人投資家が未来の勝者を予想し続けるよりも、将来どこが伸びても対応できるように分散投資をした方が簡単であることは言うまでもありません。だからこそ、「世界全体に投資する」という考え方が支持されるのです。

石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。 この著者の記事一覧はこちら
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