看護師向け人材紹介「ナース専科 転職」と看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」を運営するエス・エム・エスは2026年5月28日、「看護師の働き方に関する意識調査」を発表した。本調査は2026年3月2日~31日、全国の病院・クリニック・訪問看護ステーション・介護施設等における看護師の勤務先の管理者、人事担当など577人を対象に、Webを使用したアンケートにて行われた。


○6割超が賃上げを検討も「基本給アップ」は3割に留まる

最初のトピックとして、診療報酬改定に伴う賃上げの予定について質問したところ、基本給・手当などの賃上げを「実施予定」と回答した事業者は63.3%にのぼった。しかし、そのうち「基本給を含む賃上げ」を実施予定と回答した事業者は33.3%に留まる結果となった。

また、具体的な賃上げ率は「1.0%~1.5%」(15.4%)が最多となり、次点は「~1.0%未満」(10.6%)となった。
○看護師の不足感は77.3%で高止まり、働き方改革の未着手は約5割

看護師の過不足状況について質問したところ、「不足感を感じている」事業者は77.3%に達した。昨年の78.4%からほぼ横ばいの状態が続いている。

このような状況のなか、看護師の働き方改革の実現や定着促進に向けての取り組み状況を尋ねたところ、「未だ取り組めていない」という回答が約5割を占めた。そのうち14.4%の事業者は「取り組みを予定している」と回答したものの、「働き方改革の実現や定着の促進がされている」と実感している事業者は5.5%に留まった。
○定着促進に最も効果があったのは「残業時間の削減」

月の平均残業時間について質問したところ、最も多かった回答は「1時間以上~5時間未満」が最多、次点は「5時間以上~10時間未満」となった。

看護師の働き方改革や定着促進について最も効果のあった取り組みを尋ねたところ、「残業時間の削減」がトップとなった。また、現場からは「DXの推進により業務効率が向上し残業が減った」「チーム編成によるフォロー体制の構築で残業が短くなった」「事務作業を医事課へタスクシフトした」といった具体的な成功コメントが寄せられた。
○周辺業務のタスクシフトが進む一方、大きな課題となるハラスメント

看護師の負担軽減を目的として、従来看護師が担っていた周辺業務を看護助手や介護助手へ移行するタスクシフトの推進状況を尋ねたところ、看護助手・介護助手については約5割が「配置できている」と回答した。

また、人材の活用方法として、6割以上が「60代以上の看護師」を活用していることが判明した。


一方で、職場環境における課題も浮き彫りとなった。過去1年間に見聞きしたハラスメントについて質問したところ、「ペイシェントハラスメント」(39.9%)が最多となった。2026年5月に発表した看護師個人への調査結果と同様に、ペイシェントハラスメントが職場の大きな課題となっていることが再確認された。
○DX推進体制整備加算の届け出は38.5%、今後導入したいツールは「議事録要約」

医療現場におけるデジタル化の推進状況について質問したところ、「DX推進体制整備加算」は38.5%が届け出を行っていると回答した。

さらに、今後、看護職の業務負担・事務作業負担軽減に向けて導入したいDXツールを尋ねたところ、「委員会や打ち合わせの議事録要約」が最多となった。DX推進による業務効率化や、看護助手・介護助手へのタスクシフトに取り組む様子が自由回答からも多く見受けられた。
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