壇上にビールを持ち込み、一気飲みしたガルシア。この素行の悪さにはあきれる声が相次いだ。

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“キング”の異名を持った元世界王者の異様とも言える行動が波紋を広げている。

 現地時間4月19日、翌20日に行われる米ニューヨークで行われるWBC世界スーパーライト級タイトルマッチ12回戦に向けた前日計量が開催。元WBC世界ライト級暫定王者の挑戦者ライアン・ガルシア(米国)は、計量直前に持ち込んだビールを一気飲み……。リミット140ポンド(63.50キロ)を3.2ポンド(約1.45キロ)の大幅超過する事態となった。

【動画】周囲も呆然のビールをがぶ飲み! 大幅体重超過後のガルシアの「奇行」

 もはや体重超過に開き直っていたのかもしれない。ビール瓶を片手に壇上に立ったガルシアは、ステージで上裸になるやいなや、ビールをがぶ飲み。

そして呆然とする周囲の関係者たちをよそに「見たか」と言わんばかりに咆哮した。

 対峙する王者デビン・ヘイニー(米国)とのフェイスオフでも、悪びれる様子もなく、挑発的に振舞ったガルシア。米スポーツ専門局『ESPN』によると、試合は続行が決定。挑戦者ガルシアは当日計量こそないが、仮に勝っても王座奪取を認められず。ヘイニーが負ければ、王座は空位となるという。

 もっとも、最近のガルシアは言動に不安があった。

とくに今年に入ってからは自身SNSでは陰謀論や、地球外生命体の存在の証拠があると主張。4階級も下であるスーパーバンタム級4団体統一王者である井上尚弥(大橋)に対しても「お前の尻をひっぱたいてやる」と挑発するなど、精神状態が不安視され、ニューヨーク州のアスレチックコミッションも、メンタルヘルス検査を要請(ガルシアによると、検査は合格したとのこと)する事態になっていた。

 ゆえに今回の一連の言動には、呆れる声も小さくない。アルゼンチンに拠点を置き、中南米に広いネットワークを誇るスポーツ専門局『D SPORTS』の解説者であるレオ・ベナタール氏は「ライアン・ガルシアはリミットを3.2ポンドもオーバーしていた。エリート・アスリートが公式計量で、これだけの体重オーバーをすることは恥ずべきだ」と糾弾。そして「彼はボクシング界で輝かしい過去を持つインフルエンサーに過ぎない」と厳しい言葉を投げかけた。

 実力派vsアイドルという構図の一戦をメインマッチにした興行は、ニューヨークを彩るものとなるはずだった。それだけにガルシアの素行によって純粋に攻防を楽しめなくなってしまったのは残念でならない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]