3月の代表戦には出場していたファルファト(C)Getty Images

 真夏の激闘を目前にし、日本代表とグループリーグで対戦する北アフリカの雄に、激震が走った。

 現地時間5月15日、日本、オランダ、スウェーデンと同居するグループFに属するチュニジア代表のサブリ・ラムーシ監督は、W杯に出場するメンバー26人を公表。

その中で招集予定だった19歳から「拒否」を受けた前代未聞の事実も明らかにした。

【動画】ドイツで異彩を放つ19歳 前代未聞の決断のファルファトのプレーシーン

「全くもって不適切な行動だ」

 そんな指揮官の言葉には、怒りも滲んだ。

 代表招集を拒否したのは、ドイツ2部の古豪カールスルーエに所属するルーイ・ファルハトだ。今季の2部リーグで6得点、2アシストを記録しているワンダーボーイは、今年3月の代表シリーズでA代表デビュー。チュニジア国内でも大きな期待を集めていた。

 市場価値も高騰し、欧州ビッグクラブからの関心を集める19歳は、当然、W杯を戦う上での構想に入っていた。しかし、彼の父親であるベン・ファルファト氏がメンバー発表当日になって「まだ、ワールドカップのメンバーに呼ぶには早すぎる」と電話を通じて連絡。驚きを隠せなかった指揮官は、本人に連絡をして説明を求めようとしたものの、応じてもらえなかったという。

 名誉あるW杯への出場を託そうとしたラムーシ監督は、怒る。

「私はショックを受けたよ。それでルーイに電話したが、彼は出なかった。なくなく父親にも電話したが、今度は出なかった。

明らかに無礼だし、敬意も欠けている。この国旗とユニフォームに対する敬意がないのなら、代表としてプレーする資格はない。もし、チュニジア代表としてプレーしたくないのなら、そんな選手は歓迎されない。すでに我々は新たな一歩を踏み出したが、奇妙な判断だと言わざるを得ないね」

 チュニジア人の両親を持つファルファトだが、生まれはドイツのヴァイブリンゲンで、将来的なドイツA代表入りの可能性が残る。そのなかでW杯などの“公式戦”に出場をしてしまえば、代表変更ができなくなるため、父親たちは拒否に動いたとも考えられる。

 とはいえ、W杯のメンバー入りを拒否するのは異例中の異例。それだけに国内でも19歳に対する驚きが広まっている。チュニジアのニュースサイト『Assabah News』は「これはまさに激震的な出来事だ」と強調し、「将来有望な青年が衝撃的な行動を起こし、自らチュニジア代表に復帰する道すらも閉ざした」と報道。決断に対する疑義を記した。

 6月20日のグループ第2戦で日本と対戦するチュニジア。若手有望株を呼べなかった影響がどこまであるのかが注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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