俳優の成田凌と女優の葵わかながダブル主演する舞台『パンドラの鐘』が、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて6月6~28日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて7月2~5日に上演されることが決まった。成田は本作が初舞台となる。



【写真】成田凌、インタビュー撮り下ろしショット

 古代から現代へ、はるかなる時空を超えて壮大なスケールで描かれる本作は、日本の歴史のタブーに真っ向から挑んだ衝撃作。1999年に蜷川幸雄の指名で野田秀樹によって産み落とされ、蜷川と野田によって、Bunkamuraシアターコクーンと世田谷パブリックシアターの2館で同時期に上演。蜷川は“岩”、野田は“紙”と、同じ作品ながら全く違ったモチーフとアプローチで作品を創り上げた。

 さらに蜷川版には、大竹しのぶ勝村政信生瀬勝久松重豊、一方の野田版には、堤真一天海祐希古田新太松尾スズキなどが出演し、豪華出演陣の対決も大きな話題を呼んだ。

 蜷川の七回忌を迎える今年、“NINAGAWA MEMORIAL”と題し、初演以来23年ぶりにBunkamuraシアターコクーンにて上演する。蜷川作品に多大な影響を受け、アングラ、シェイクスピア、海外戯曲、歌舞伎とさまざまなジャンルの作品を手掛けている若手演出家・杉原邦生の手によって、記念すべき公演として再び現代によみがえる。


 勝村政信、堤真一の怪演が話題となった葬式屋のミズヲ役を演じるのは、今作が初の舞台出演にして初主演となる成田凌。そして、大竹しのぶ、天海祐希の演じた古代の女王ヒメ女役を演じるのは葵わかな。2人の共演は2017年放送の連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)以来となる。

 さらに、オズの婚約者タマキに前田敦子、古代の国の重臣ハンニバル役に玉置玲央、カナクギ教授の助手オズ役に大鶴佐助、同じくカナクギ教授の助手のイマイチ役に柄本時生、考古学者のカナクギ教授/ヒメ女の兄狂王の2役に片岡亀蔵、ピンカートン未亡人役に南果歩、ヒメ女の乳母ヒイバア役に白石加代子と、若手からベテランまで確かな演技力を持つ俳優陣が集結した。

 太平洋戦争開戦前夜の長崎。ピンカートン財団による古代遺跡の発掘作業が行われている。
考古学者カナクギ教授の助手オズは、土深く埋もれていた数々の発掘物から、遠く忘れ去られていた古代王国の姿を、鮮やかによみがえらせていく。王の葬儀が行われている古代王国。兄の狂王を幽閉し、妹ヒメ女が王位を継ごうとしているのだ。従者たちは棺おけと一緒に葬式屋も埋葬してしまおうとするが、ヒメ女はその中の一人ミズヲに引かれ、命を助ける。ヒメ女の王国は栄え、各国からの略奪品が運び込まれている。あるとき、ミズヲは異国の都市で掘り出した巨大な鐘を、ヒメ女のもとへ持ち帰るが…。


 COCOON PRODUCTION 2022 NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』は、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて6月6~28日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて7月2~5日上演。