『銀河英雄伝説』小説刊行40周年を記念し、12月30日より1988年公開『わが征くは星の大海』、2023年1月13日より1993年公開『新たなる戦いの序曲(オーヴァチュア)』がそれぞれ2週間限定で劇場公開されることが発表された。

【写真】“石黒版”銀英伝『わが征くは星の大海』『新たなる戦いの序曲』ポスタービジュアル

 SF小説家・田中芳樹による『銀河英雄伝説』(東京創元社)。

銀河帝国軍のラインハルト・フォン・ローエングラムと、自由惑星同盟軍のヤン・ウェンリーという2人の英雄の対決を軸に、銀河の興亡を描く傑作ファンタジーが、2022年に刊行40周年を迎えた。

 上映されるのは、アニメシリーズの“すべてのはじまり”となった『わが征くは星の大海』(1988)と、シリーズ屈指の傑作として名高い『新たなる戦いの序曲』(1993)の劇場版2作品。35mmの原盤フィルムからスキャニングした4Kリマスターによって、「銀河の歴史が、また1ページ」紡がれる。

 累計発行部数1500万部を超える小説を原作に、1988年から始まった長篇アニメシリーズは、全162話、長編3作品におよぶ壮大な作品群で、OVAの先駆けとなった。本シリーズの総監督を『宇宙戦艦ヤマト』『超時空要塞マクロス』などを監督した石黒昇が務めたことから、2018年に始動した「ノイエ(DNT)版」こと『銀河英雄伝説 Die Neue These』シリーズと区別し「石黒版」と呼ばれ、今も支持され続けている。

 原作者の田中芳樹は、「原作者は老化の一途をたどっていますが、作品は脱皮して若さを保ちつづけているようです。
すべてファン、キャスト、スタッフの皆様のおかげです。心から御礼を申しあげます。本当にありがとうございます」とコメントしている。

 豪華声優陣が総勢約610名ものキャラクターを1人1役演じたことから、“銀河【声優】伝説”という異名を持つ本作。堀川りょう、富山敬さん、広中雅志、井上和彦若本規夫、森功至、塩沢兼人さん、潘恵子、田中秀幸、小山茉美佐々木望、羽佐間道夫、古川登志夫、キートン山田、速水奨、納谷悟朗さん、古谷徹、柴田秀勝、銀河万丈屋良有作神谷明玄田哲章水島裕、石丸博也、大塚明夫小林清志さん、内海賢二さん、野田圭一、土師孝也、堀内賢雄、菊池正美、郷田ほづみら、日本のアニメ界を牽引してきた“レジェンド”声優が参加していることも人気の大きな要因。石黒版を演じた彼らからも、刊行40周年を祝うコメントが到着している(後述)。


 『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海 4Kリマスター』は12月30日、『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲(オーヴァチュア) 4Kリマスター』は2023年1月13日より、それぞれ2週間限定公開。

<キャストコメント>

■堀川りょう/ラインハルト
40周年、誠におめでとうございます。私が初めてこの作品に出会ったのは1986年のオーディションでした。非常に格調高雅な作品だなと思いました。ラインハルトを演じられたことは、役者人生の中で金字塔と言えるでしょう。出会えたことに感謝しております。


■広中雅志/キルヒアイス
CSの特番で田中先生と御一緒させて頂いた際、思い切って聞いてみた。「アンネローゼはジークをどう想っていたのですか?」。すると「女心は原作者にもわからないが、最大限の信頼というのかなぁ」。「封印された愛」ですね…銀河の歴史が…祝40年!

■井上和彦/アッテンボロー
40周年おめでとうございます。銀河英雄伝説が刊行して40年ですか、凄いです。今となってはこの世に銀英伝が無いことなど想像できません。
本当に沢山の方に夢や希望、生き方まで影響を与え続けているんだと思います。そして、これからもずっと…。銀英伝があることに感謝です。

■潘恵子/アンネローゼ
発行四十年周年おめでとうございます。アニメ作品に参加させて頂いた当初より沢山の方々に支えて頂きお世話になりました。長きに亘り作品を通し、アンネローゼの真の優しさと包容力に触れ、自分自身も成長できた様に思います。
銀河英雄伝説に心からの感謝を!

■小山茉美/ジェシカ
壮大な歴史ドラマの中で地に足をつけ力強く生きる女性ジェシカ・エドワード。それまで少女役の多かった私は等身大の自分をぶつけてみようとドキドキしながらマイクに向かった事を覚えています。怖かったし難しかったし嬉しかった。40周年、心よりお祝い申し上げます。

■若本規夫/ロイエンタール
『銀河英雄伝説』原作小説刊行40周年、誠におめでとうございます。思えば、遥か昔OVAシリーズでロイエンタール役に抜擢していただき声優としての将来が拓けた、私にとってかけがえのない作品であり、思い出深い貴重な経験をさせていただきました。
感謝です。

■森功至/ミッターマイヤー
『銀河英雄伝説』刊行40周年おめでとうございます。この先50周年、60周年と語り継がれていく作品だと思います。この作品にめぐり合い、関われたことを嬉しく思います。田中芳樹先生、おめでとうございます!

■佐々木望/ユリアン
『銀河英雄伝説』物語誕生40周年まことにおめでとうございます。石黒昇総監督のもと、アニメに関わらせていただいた一員として、銀河の歴史に本年がさらなる1ページを加えることをうれしく誇らしく思います。

■羽佐間道夫/シェーンコップ
私の記憶では、徳間が設立され所謂コミックの世界にそしてアニメの世界に、嵐の様に旋風を巻き起こしながら業界をリードしていく様を、声優の世界から眺めていました。もう40年を過ぎたのか! [40周年益々のご発展を!]

■キートン山田/キャゼルヌ
『銀河英雄伝説』刊行40周年おめでとうございます。『銀英伝』ファンの方々が今は立派な大人になられても、最近のことのように思い出を語っている。嬉しくもあり、改めて、すごい作品だと思う。

■古川登志夫/ポプラン
『銀河英雄伝説』原作小説刊行40周年おめでとうございます。原作の刊行のみならず、長期にわたり多様なコンテンツがリリースされ続け、多くのファンの皆さんから常に高い支持を得てきたこと自体、正に偉業! です。

■野田圭一/ビッテンフェルト
『銀河英雄伝説』原作刊行40周年おめでとうございます。この番組は壮大なスケールと超豪華な声優陣に驚かされました。私が担当したビッテンフェルトと云う人物、単細胞でイケイケ男ですが、戦闘においてはこのような男が必要不可欠! 演じる方は疲れる役でした。ビッテンフェルト家には家訓がある。「熱烈なファンは大きな声で、そうでもない人を誘う時はもっと大きな声で、劇場へ行こう」ってね!

■土師孝也/メックリンガー
『銀河英雄伝説』刊行40周年おめでとうございます。当時に於けるアニメ化に際し、一声優として参加させて頂いたことを感謝申し上げますと共に、更なる伝説を期待しています。

■速水奨/ファーレンハイト
刊行40周年、おめでとうございます。壮大な宇宙における、密度の濃い人間ドラマに、心を全部持って行かれたのを、昨日のことのように覚えています。これからも沢山の読者が釘付けになり、放心するのでしょうね。

■古谷徹/フォーク
『銀河英雄伝説』は個性的な登場人物、緻密に練られた戦略、先の読めないストーリー展開など、魅力的なSF作品として長年に亘り、沢山のファンに愛されてきたのだと思います。40周年おめでとうございます。

■銀河万丈/ド・ヴィリエ
はい。あの謀略も、その陰謀も、全て私の仕業。ふふ、政治と宗教の切っても切れぬ闇--さすが先見の明。『銀河英雄伝説』、幾星霜経ても色褪せぬ名作。実に実に素晴らしい! 一言お祝いを。ふふ、ド・ヴィリエ。

■堀内賢雄/ウイン、フェルナー
銀河英雄伝説刊行40周年おめでとうございます。長きに渡り愛され続ける作品に参加出来たこと、嬉しく思います。更に世代を越えて沢山の人に愛され続ける色褪せない作品の魅力。あげればキリがないほど魅力溢れる作品です。40周年を迎え益々盛り上がる銀英伝。皆さまどうぞお楽しみください。

■柴田秀勝/ミュッケンベルガー
刊行四十周年おめでとうございます!今でも小生の小さなカウンターバーで銀英伝が常連さんと熱く語られています。アニメ作品で「金髪の小僧!」と言ったシーンが印象深いと言われ、収録当時が今でも思い出されます。

■大塚明夫/チュン
刊行40周年おめでとうございます。ミュラー役の水島裕さんは、私が生まれて初めて参加した吹き替え作品で、主役を演じられておりました。当時の私は駆け出しで、水島裕さんとご一緒出来たことを大変心強く感じたのを覚えてます。これからも末永く、この作品がファンに愛され、語り継がれ続けていきますように。

■菊池正美/ルイ
原作小説刊行40周年おめでとうございます。あまりにも壮大なストーリー、まだまだ語られていない、語らなければならないお話の構想がたくさんあると思います。先は長いですね。更なる進展を期待しております。

■郷田ほづみ/ヤン(外伝)
刊行40周年、おめでとうございます。銀河英雄伝説は、僕にとっても記念的な作品です。尊敬する富山敬さんの後を引き継ぐ形で、ヤン・ウェンリーを演じさせていただき、ある意味、人生のターニングポイントにもなりました。この作品に参加できたことを光栄に思っております。今後のご発展をお祈りしております。

■屋良有作/ナレーション
銀河英雄伝説はいつの時代にも通用する普遍的な物語です。沢山の人物が登場しますが、それぞれの才能や弱さ、置かれている立場等が色濃く描かれています。誰が観ても「これは自分かな」と思わされるキャラクターがいるはずです。

今の時代は“親ガチャ”なんて言ったりもしますが、人は定まったところでしか生きていけないのか、とも思わされます。自分の立ち位置を見て、真摯に生きなさいということを教えてくれる、素晴らしい原作です。