コロナ禍の前に行われた20年卒の就活。果たして主要大学の学生はどのような就職先を選んだのだろうか。
“Captains of Industry”(産業界のリーダー)となる人材の育成を掲げる一橋大学と、世界を舞台に科学技術の分野で活躍できる人材の輩出を目指す東京工業大学。一橋大は文系に、東工大は理工系に特化した大学だが、実は両校は、東京外国語大学と東京医科歯科大学とともに四大学連合を結成し、それぞれが独立を保ちつつ、研究教育分野で連携している。
19年の一橋大学は、1位が三井住友銀行、2位東京海上日動火災保険、3位三菱UFJ銀行、同率5位日本生命保険と、上位を銀行と生損保などの金融が占めた。一方、東京工業大学は、1位日立製作所、2位本田技研工業、3位三菱重工業と、上位を重厚長大系のメーカーが占めていた。
果たして20年の一橋大・東工大の就職先はどうなったのか?
一橋大1位は楽天東工大1位はソニー
まず、一橋大で第1位となったのは楽天。昨年の5位から大きく躍進した。三木谷浩史・楽天会長は一橋大OBだ。2位は三菱UFJ銀行、3位が三井住友銀行と、相変わらず金融が多い。
そしてやはり一橋でもコンサルの人気が急上昇している。4位にアビームコンサルティングが入ったのをはじめ、TOP22に5社もランクインしている。
ランキングにはIT、金融、コンサル、通信、メーカー、総合商社、デベロッパーと、さまざまな業界の企業が並んでおり、“Captains of Industry”育成を掲げる同大の面目躍如といったところだろう。
東工大で1位となったのはソニー。前年の7位から一気にトップとなった。ソニーは東大のランキングで同率2位(前年は5位)、京大のランキングで10位(前年はTOP10圏外)といずれも順位を上げており、学生の間でソニーに対する評価が高まっていることが分かる。2 位はキヤノン、3位パナソニックと上位は電機・精密メーカーが占めた。
東工大のランキングで特徴的なのは、自動車メーカーが多いこと。同率5位でトヨタ自動車が入っており、日産自動車、本田技研工業もTOP22にランクインしている。
*ランキング表の見方
データは、各大学発表による企業別就職者数。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。調査/大学通信