![「アフリカからもっとも近い、“黒人のいない”リゾート」モーリシャス [橘玲の世界投資見聞録]](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDiamond%252FDiamond_70616_1.jpg,zoom=600,quality=70,type=jpg)
アメリカの作家マーク・トウェンがここを訪れたとき、「神はモーリシャスというパラダイスを創り、それを真似て天国を創った」と語ったという。その賞賛の言葉どおり、美しいビーチと高級ホテルで知られる世界的なリゾートで、面積は約2000平方キロだから沖縄よりひとまわり大きく、そこに130万人のひとびとが暮らしている。
モーリシャス空港の第一印象は、入国管理がきわめて厳しいことだ。この時期はまだエボラ出血熱の騒ぎがつづいていて、アフリカからの入国者は、感染地域を訪れていないかパスポートで入念に確認された。
だが、入国審査に時間がかかる理由はそれだけではない。
たいていの国で日本人はフリーパスだが、ここでは帰りの航空券の提示も求められた。出国時にも、渡航先(マダガスカル)だけでなくその先のヨハネスブルグ行き航空券を示し、モーリシャスには戻ってこないことを証明しなければならなかった。それだけ不法労働者の入国に神経を尖らせているのだ。
モーリシャスがどのようなところか、ひと言で説明するのは難しい。あえていえば、「インドにとってのシンガポール」ということになるだろうか。ここは華僑ならぬ「印僑の島」なのだ。