日焼け止めには、紫外線防止効果を表すSPFとPAという2つの指標がある。「SPF30、PA++」などのように、それぞれ「数値」と「+の数」であらわされるのが一般的だ。しかし中には、「SPF50+」といった表示のモノも。SPFやPAの表記の仕方に決まりはないのだろうか?
そこで花王株式会社の商品広報部の方に問い合わせてみた。まずはSPFとPAの意味を再確認。
「SPFは“Sun Protection Factor”の略で、UV-Bをどの程度防止できるかを表す指標です。何も塗らないで日差しを浴びたときに、赤くなるまでにどれくらいの時間がかかったかに対し、その時間を何倍引き延ばせるかを示します」
たとえば、何も塗らずに25分で肌が赤くなりはじめる人が、SPF24のUVカット化粧品を塗ると、25分×24倍=600分、つまり10時間、肌が赤くなるのを防げることになる。
またPAは、“Protection grade of UVA”の略でUV-Aの防止効果の程度を示すもの。UV-A、UV-Bはいずれも紫外線の種類だ。強い日差しを浴びたときに一時的に赤くなったりするのはUV-Bの影響。一方、UV-Aは雲やガラスを透過するため、くもりの日や室内でも影響を及ぼし、肌に影響奥深く真皮まで届き、肌の老化をもたらす。ちなみに日焼け止めが「日焼け」に効果があるのは、紫外線を吸収する「UV吸収剤」と反射・散乱させる「UV散乱剤」が配合されているからなのだとか。
……と基本の意味はおさえたところで、気になる表記の仕方について。表示できる範囲に決まりってあるの?
「あります。SPFは0-50+、それ以上はNGです。PAも PA+,PA++、PA+++を3段階に分類しています」
50+の「+」は、「以上」を意味するそう。つまり「SPF50+」は50以上を保証しているということ。表記の範囲を決めているのは、日本化粧品工業連合会の「SPF測定法基準」だ。
最後に日焼け止めを使うときのポイントを聞いた。
「顔で紫外線を浴びやすいのは、鼻、ほおなど高い部分です。このような部分はダメージを受けやすく、日焼けだけでなく、色むら・しみもできやすくなります」
そのため鼻やほおなどは、全体に日焼け止めを塗ったあと、少量を重ねると効果的だという。
「また夏は髪も結んでさっぱりしたくなりますが、そんな場合は耳が露出してしまっているので、意外と焼けてしまいます」
耳にもしっかりと日焼け止めを塗るのをお忘れなく。
表記の意味をきっちり理解すれば、よりシーンにあった日焼け止め選びができそうです。
(古屋江美子)
・花王ソフィーナボーテHP