ビクトリアの滝は、滝の見ごたえもさることながら、アトラクションの多さも大きな魅力。ヘリコプター遊覧やラフティングなど滝を満喫できる魅力的なメニューが揃っているが、なかでも注目はバンジージャンプだ。
もちろん滝壺に飛び込むわけではない。滝のすぐ下流、2国の国境に架かるビクトリアフォールズ橋から下を流れるザンベジ川へ向かって滝をバックにジャンプするのだ。その高さは111m。橋から川を見下ろしてみるとあまりに高くて一瞬ひるんだが、せっかくなのでやってみることに。
ちなみにこれまでの私のバンジー経験といえば、近所の遊園地の約20mのバンジーのみ。スタッフいわく、
「1度目は怖いけど、2度目は平気、そのあとからはクセになるよ」
橋近くにあるオフィスで誓約書にサインをし、料金を支払って体重測定。体重は油性マジックでデカデカと腕に書かれる。これはバンジーをやった証でもあるのだが、堂々と自分の体重を宣伝しているようなもので少し恥ずかしい。一連の手続きを済ませて、再び橋へ戻る。
何度も安全かと訊く私に、絶対大丈夫だと力強く励ます(?)スタッフ。
「ゴー、ヨン、サン……」
なぜか日本語の、しかも妙に速いカウントダウンで、あっというまに空中へ。
感想からいうと、想像以上に気持ちがよかった。アドレナリンも出て、本当に爽快。ただロープが伸びきったあと、振り子のように揺られている間は目が回って辛かったけど。それと跳ねかえりの衝撃が強かったせいか、翌日から肩と首がしばらく痛かったので、運動不足の方は事前に柔軟体操をしておくことをおすすめしたい。
バンジージャンプのほかにも橋で楽しめるアトラクションが2つある。ひとつは「ブリッジスウィング」。これはロープを腹につけて自由落下をしたあと、空中に張ってあるロープに沿って振り子のように降られるもので、怖さはバンジー並みだとか。もうひとつは「ブリッジスライド」。谷のあいだをターザンのようにロープに沿って渡るもので、恐怖度は低めとのこと。
料金はすべて米ドル払いで、バンジージャンプが90ドル、スウィングが60ドル、スライドが30ドル。全部チャレンジする場合は115ドルと大幅割引もあり。ちなみに国境にあるのでイミグレーションを通るためパスポートはお忘れなく。
このバンジー、高さだけでいえばマカオタワーの300mや南アフリカ共和国のブルークランズ橋の216mにはかなわない。だが国境で、しかも世界三大瀑布をバックに飛べる爽快感はほかではなかなか味わえないもの。人生に一度はおすすめです、たぶん。
(古屋江美子)