田舎の八百屋さんなどで買い物をすると、野菜を新聞にクルクルッと包んでくれることがある。

そんなシーンにヒントを得て生まれたのが、古新聞で出来たバッグ「四万十川新聞バッグ」。
手作りの風合いになんとも味のある、新感覚のエコバッグだ。

「古新聞を使い、折っただけの手作りがウリ。 一日頑張っても、せいぜい五十枚くらいしかできません」
と語るのは、商品を作っている四万十ドラマの大崎さん。四万十ドラマとは、四万十川の自然環境を保全しながら活用して、商品づくりにいそしむ地元発着型の企業である。

もともと同社では、おみやげ物を新聞紙で包んでいたそうで、何かもっとかわいらしく出来ないか? と思っていたところに、スタッフの一人がこのバッグを考案したそう。

商品の発売は約2年前。 昨年からは、“作り方を教えてほしい”という多くの声にこたえるため、レシピ付きのセットも販売し始めた。でも本来なら、商品のレシピって企業秘密であるはず。簡単に教えちゃっていいの? 
「商品だけであれば、コピーすると簡単に真似できてしまいます。そうではなく、バッグを通じて四万十川の考え方を知っていただければと思い、作り方をご案内することにしました」
四万十ではあえて“エコ”という人はいないそう。つまり、ごく当たり前にリサイクル精神が根付いているのだ。

ちなみにバッグの制作時間はだいたい30分ほど。

「いまのところ、レシピを見て作れなかったという報告はないです(笑)」
自分の好きな記事を目立たせることも可能で、
「野球好きの方はスポーツ新聞を用いるのもいいですし、新聞から高知の話も広げることもできます。初めての方とのコミュニケーションのきっかけになると思いますよ」
学校などで教育の一環として使われることも多いという。

ちなみに現在A、B、Cの3つのタイプがあり、一番人気があるのはベーシックタイプのA。いずれもレシピ付きで各1,000円。また大きさのことなる3つのバッグ(形はA)がセットになったレシピなしのタイプ(1,000円)もある。発売場所は、道の駅四万十とおわ、または同社のウェブサイトにて。

古新聞を利用したちょっとユニークなエコバッグ。四万十スピリッツがたっぷり詰まっています。
(古屋江美子)
編集部おすすめ