「ラランラン、ランドセルは~♪ ててんてん、てんしのはね~♪」
ランドセル『天使のはね』のCMで流れているキャッチーな曲を聞く度、思わず、口ずさんでしまう自分。そして、同時に素朴な疑問がわいた。


ランドセルといえば、基本的に4月に入学する子どもたちのために買うものだ。それなのにもうCMをやっているのは、随分早すぎるのではないだろうか、という疑問。

そこでさっそく『天使のはね』の発売元である、株式会社 セイバンに問い合わせてみた。

なぜ今の時期から、『天使のはね』のCMをやっているのでしょうか?

「ランドセルは保護者の方、特におじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんへの贈答品としてご購入されることが多いのですが、一般的に祖父母の方たちがお孫さんと会う接点は、お盆と正月といわれていまして、そうした時期に対応できるよう、早めにご案内するようにしているんです」

なるほど。それならお盆前からCMを流しているのも納得だ。そして実際にお盆前に購入する人も多いんだそう。ちゃんと世の中のニーズに答えたCMだったのだ。さらに、この早めにCMを流す傾向は年々高まっているという。これは日本の高齢化、少子化とつながりがあるようだ。

「現在、日本の退職者数は年間300万人ともいわれています。これは小学校にあがる子どもたちの3倍ともいえる人数で、年々増加しています。つまり、たまにしか会えないお孫さんたちに、何かしてあげたいと考える祖父母の方たちが増えている結果、お盆や正月にランドセルを贈る傾向が高まっているのだと思われます」

『天使のはね』は3年がかりで研究開発し、2003年に販売開始。
「他社のものに比べて高価ですが、多くの支持をいただいております」とのことだが、6年間最も軽く感じる垂直角を維持できるクッション形状「せみね」を開発するなど、独自の機能性を誇り、大ヒット商品となっている。

「一般的にランドセルが一番売れるのは1月といわれていますが、弊社の場合、一番売れるのは11月です」というのも、いいものを早めに選んで、孫にあげたいという祖父母たちが買い求めている結果だろう。

たしかに、自分にも孫や子どもがいたら、早めに吟味していいものを贈りたいと思うはず。今回の疑問、すっきり解決です!
(田辺 香)
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