高校3年の受験生の頃、「初詣行くくらいなら、勉強しろ」と学校の担任にゲキを飛ばされたことがあるが、ハッキリ言ってロクな先生じゃなかった。“困った時の神頼み”じゃないが、ここ一番のときの拠り所として初詣ぐらい行かせてほしいし、お守りくらいは買わせてほしい。


あれから十数年の今、非常にゲンのいいお守りが売られているという情報をキャッチした。どこで売られているかというと、なぜか“動物園”。
埼玉県にある「こども動物自然公園」では、『四天王御守』(500円)なる合格祈願のお守りが発売されているらしいのだ。

なぜ、動物園でお守りなのか? ことのなりゆきは、みんなから絶大な人気を誇る動物の生態に由来する。その辺りを、動物園に伺ってみた。
「4年前から、当動物園では『子守熊(コアラ)御守』というお守りを発売していました。このお守りは、コアラが木の上で生活している動物で、“落ちない”というところから企画されたんです」
『子守熊(コアラ)御守』は毎年200個以上、昨年は400個以上も売り上げたほど好評を呼んでいた商品。塾の先生が生徒たちのために、一気に10個以上購入したり。「去年、お兄ちゃんが受かったから」と、下の子のために親御さんが購入したり。リピーターを呼ぶほどの人気。親御さん、お祖父ちゃんお祖母ちゃん、先生たちが受験生にプレゼントする形で購入されることが特に多かったという。

そこで今年は、樹上生活をしているコアラ、レッサーパンダ、フタユビナマケモノ、カナダヤマアラシの動物に注目。
木から落ちない“落ちないどうぶつ四天王の御守”を、2009年の11月28日より発売することになった。
また、お守りにはユーカリの葉と、コアラのフンで作ったストラップが同封されている。これは“フン”と“運”をかけており、とことんゲン担ぎしてしまうつもりだ。

ちなみに、この動物園が受験生を応援する企画は、お守りの販売だけでは終わらない。園内のピーターラビットの森には、“合格の花”として知られているクリスマスローズが約1200株植えられているというのだ。
クリスマスローズは、花のように見えるガクが落ちないことや、ガクが五角形であることから“合格の花”と言われている。
このように、もう園を上げて受験の後押しをする勢いである。

根をつめている受験生達は息抜きに動物園へ行って、ついでに運とご利益を装備してくるのもいいかもしれない。
(寺西ジャジューカ)
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