しかし、ここでの食事は一味違う。
同店は、「オペラ座の怪人」をコンセプトにした“カジュアルイタリアレストラン”。それだけでも変り種なのだが、毎週日曜から火曜までの限定企画として、プロの占い師による占いまでついてくる。これは、ディナーコースを予約した方が対象(パーティーコース対象外)。
こんなサービス、他には聞いたことがない。そこで、同店に占いサービスを始めたきっかけを伺ってみた。
「当店は“コンセプトレストラン”ですので、来てくださるお客様はサプライズを求めていらっしゃいます。そこで、お客様のニーズに合わせた“占い”のサービスを開始いたしました」
以前は期間限定で行っていた占いサービスだが、好評につき2月からはレギュラーのサービスとしてスタート。店内にある“占いの館”に見立てたブースで、プロによる本格的な占いを受けることができるというのだ。
このレストランに行くと、食欲と好奇心を満たすことができそう! 当然、私も満たしに行ってきました。
店内に一歩足を踏み入れると、その瞬間から別の世界に来たような雰囲気。店内は人々が毎晩宴を楽しむオペラハウスを再現しており、まるでオペラを観に来たかのようなゴージャスなムードを味わえる。
私がお伺いしたのは、火曜日。レストランでは曜日ごとに違う占い師が占ってくれ、火曜日の担当は彗悦(けいえつ)先生。内容はタロット占いで、占いにかかる時間は約5分間。
早速、占いスペースに足を運び、先生と向かい合わせに着席した。まずは、重ねられたタロットカードの上に利き腕(私の場合は右手)を乗せ、そして目をつぶる。すると、先生が手から“気”を送ってくれるのだ。そこから、占いのスタート!
それにしても先生の占い、実に痛いところを突いてくる。「仕事面でやりたいことがあるのに、踏み出す勇気を持てないでいる」、「人間関係が、あまり上手ではない。“5”を伝えたいのに、“3”しか伝えられないでいる」、「健康面では、“腰から下に気をつけろ”と出ている」と、ズバっとした指摘が直球で投げ込まれてくる。確かに、仕事面でもっとやりたいことはあるのに惰性に流されている部分はあるし、引っ込み思案を直したい現状もある。そして、完全に私は腰痛持ちだ。
そこで先生は「こうしなさい」と言いっ放すのではなく、自分が気づくように導いてくれる。
ちなみに、他の曜日には別の占い師が待機。タロット占いや占星術で、ディナータイムを話題に溢れた楽しい時間に演出してくれる。
また、このレストランではコースメニューの他にタロットカードをモチーフにした「オペラ特製タロット温菜」なるメニューもあるのだから、まったくもって抜かりがない。
このサービス、現在まさに話題沸騰中。特に20~30代を中心とした女性にウケているようだ。好調の理由は、池袋という土地柄や、“コンセプトレストラン”という特色もあるだろう。しかし、最大の要因は「ちょうど、この世代が占い好きということもあり、マッチしていたのではと思います」(担当者)であろう。これぞ、乙女心。
別世界でいただく料理と、別世界で受けるマジカルなアドバイス。食欲と好奇心を満たしてくれるレストランだった。
(寺西ジャジューカ)