そんな幼き日の私の願望が、ついに形になった! ウィッツェル株式会社が開発した『ねころビジョン』は、夢のような商品。これを使えば、ベッドに横になった状態で体を起こさなくても、テレビを見ることができるのだ。
原理は、枕元に設置したプロジェクターとテレビチューナーを接続。そして、目の前に位置させたスクリーンに映像を映し出す。
スクリーンは左右に90度倒すことができるので、寝返りを打ったり向きを変えても、スクリーンの位置を同様に変えてしまえばいい。どんな状態でも、目の前にはスクリーンが!
この商品を開発したキッカケを、同社の担当者に伺ってみた。
「元々は、開発者が『自分でも使いたい』と思って作った商品なんです」
やっぱり! 「こんなの、あったらいいな」と、みんながこれを夢想してた。
当初は個別のオーダーを受けての販売をしていた、この『ねころビジョン』。すると、ある特定の施設から、目立った反応が届いた。それは、介護施設。
「患者さんが頻繁に看護士さんを呼び出したり、皆さん苦労されていたみたいなんですね。介護施設も“人手不足”の問題に直面しており、それをこの『ねころビジョン』が助ける結果となったそうです。現場からも“助かってます!”という反響をいただいております」
たとえば、血液透析を受けた患者さんは、約4時間寝たままの状態を強いられるらしい。そんな方向けに、目の前にテレビを設置する装置は以前からあったそうだ。だが、そこで使用されていたのは、液晶テレビ。それってチョット危なくないか?
そこで、この『ねころビジョン』の登場となった。こちらは、スクリーンが発泡スチロールでできており、角も丸い。しっかり固定されているから落ちてくる心配はないのだが、万が一のことがあっても大丈夫。
実はこの商品、昨年の秋くらいから販売しているのだが、オーダーを受けての出荷なので、購入者からの反響は直で同社に届くシステム。だからこそ、出荷される度に、バージョンアップされている。
最初はリモコンで左右に操作していたが、動かしたい位置までに時間がかかるし、値段も張っていた。そこで、購入者から「手で動かした方がいいな!」という声が届き、手動でスクリーンを動かすように改良を。
しかし、4月からは状況も一変。介護現場などからの好評を得て、来月を目処に量産体勢を整えるそうなのだ。
現在、『ねころビジョン』の価格は約15万円とのこと。改良をしていくため、値段は固まりきっていないのだ。だが、量産体勢になったら値下げすることも見込んでいる。夢にまで見た商品が、より手の届きやすい状況に!
興味のある方は、同社(TEL:03-5212-7123)に直接、ご連絡をしてみては。
接続さえすれば、DVDだって、パソコンだって、テレビゲームだって、観れるみたいです。
(寺西ジャジューカ)