ゴールデンウィークに群馬県・水上を旅行してきた。
この時期の水上は、利根川の激流をくだるラフティングなどのアウトドアスポーツが盛んで、特にこの時期は繁忙期らしく、温泉街もたいへんにぎわっている。


そんな水上にとても変わったうどんがあると聞き、食べてきた。
そのうどんは「地獄うどん」という何とも恐ろしいネーミング。血の池地獄みたいな真っ赤なつゆの激辛うどんなのか?

地獄うどんが味わえるのは水上駅から徒歩10分程度、水上温泉街の中心にある「桑屋」という名前のお店。水上のお土産が買えるアンテナショップだが、食事メニューが充実しており、観光客に大人気。この日は連休の2日目だけあって、店内は満席。2時を過ぎでも店の外に行列ができていた。
この日は汗ばむほどの陽気。しかし客のほとんどが石焼鍋にはいった、何やらグツグツと煮えたぎるものを食べているではないか。見ているだけでこちらも汗が吹き出そう。石焼の中身は香ばしいカレーと、噂の地獄うどんのようだ。

1時間待って席に着き、私は地獄うどん(800円)、連れは人気ナンバー1だという石焼カレー(980円)を注文。しばらくして立ち上る白い湯気、グツグツ音をたてながら二つの石焼が運ばれてきた。
猫舌の人には向かないだろうな。
うどん自体は普通のうどんのようだが。釜揚げうどんならぬ、釜茹でうどん? だから地獄なのか。石焼に入ったお湯はただのお湯ではなく、だし汁であった。そしておつゆはなく、薬味の納豆、かつおぶし、のり、ゴマを混ぜたものが置かれている。うーん、これどうやって食べるんだ? 戸惑っていたら店員さんが薬味にだし汁を入れ、醤油をたらしてうどんをつけて食べるのだと教えてくれた。
醤油も普通の醤油じゃなくて椎茸風味。見た目だけじゃなくて食べ方も変わってる。だが、味はとても美味しい。辛党の私はさらに七味もたっぷりかけ、額に汗をかきつついただく。石焼だとなかなか冷めないのがいい。見た目は地獄だけど味は極楽。
石焼カレーもおこげができて大変美味だった。

地獄うどんを考案した社長に話を伺うと、やはりこのネーミングは「石焼きの器でグツグツ沸騰する様が地獄絵図のようだったから」とのこと。
「初めての食べ方で戸惑う方が多いのですが、味も初体験と言うお客様が多いです」

初体験といえばスイーツのメニューにも変わったものを発見。
ソフトクリームのオリーブオイル掛け(400円)。
「イタリアでは、ジェラートにもオリーブオイルを掛けて食べていたのをヒントにしました。実際に桑屋の濃厚ソフトクリームで試したところ、ラフティング関係から評判に。裏メニューが表メニューになった逸品です」 
濃厚なソフトに油ってくどそう!? と半信半疑だったが、食べてみると意外にさっぱり、むしろ単品で食べるよりくどくない。さすがダイエットにもいい油だ。
他にもテイクアウトできる壺焼きプリン・杏仁豆腐(各400円)もオススメだそう。

熱々の石焼料理にスイーツまで堪能できる桑屋。水上を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかが?
(いなっち)

※桑屋(くわや)
〒379−1617 群馬県利根郡みなかみ町湯原702−2
(0278−72−3765)
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