嵐の松本潤が、一枚の白いティッシュ(!)を箱から取り出し、「違うなぁ、やわらかい……」と呟く「エリエール+Water」のCM。
「もう言い切っちゃいます。
『潤いティシュー』が、これからのティシューだと思う」
さらに女性のナレーションが、マツジュンの後に続く。

「『新・潤いティシュー エリエール+Water』5箱パック」

このCMを観ながら、マツジュンと女性の声に続けて、「ティシュー」「ティシュー」と思わず声に出して言ってしまったことのある人、けっこう多いのではないだろうか。

ティッシュ(!)のことを「ティシュー」や「ティシュ」と表記しているのは、よく目にする。
でも、音声としての「ティシュー」。それも、目ヂカラもキャラも強いタレントから、落ち着き払った声で聞く「ティシュー」。このインパクトはいやに大きくて、なんだか斬新だ。
いったいなぜ「ティシュー」なのか。
エリエールブランドでおなじみの大王製紙・広報担当者に聞いた。

「『ティッシュ』ではなく『ティシュー』という理由ですか? さぁ、なんででしょう? 理由はよくわかりませんが、当社では昔からずっと統一して『ティシュー』なんですよ」

表記として「ティシュー」はなじみがあっても、やっぱり発音するときには「ティッシュ」と言う人がおそらく多いはず。これをCMでタレントさんに「ティシュー」と言ってもらった理由を聞くと……。
「当社では、表記も発音も以前からずっと『ティシュー』ですね。社内で話すときも、報告のときなどもすべて『ティシュー』なので、あまり違和感がないです(笑)。
他社さんがどうかはわかりませんが」
なるほど。「CMであえて『ティシュー』」ではなく、「当たり前に『ティシュー』」なのですね。

ところで、「クリネックス」でおなじみ・日本製紙クレシアHPでは、こんな記述もされている。
「ティシューペーパーはアメリカで生まれたものであり、語源である英語の綴りが“tissue”のため、弊社では英語の発音に近い『ティシュー』と表記し発音しています。日本の業界団体では『ティシュ』と表記しており、一般的にはどちらでもかまわないようです」

ちなみに、王子ネピアでは、商品名などの表記を「ティシュ」としているものの、HPの商品情報・ブランド情報には「ネピアティッシュ」「ティッシュボックス」など「ティッシュ」という表記が混在しているよう。

本来「ティシュ」でも「ティシュー」でも良いようだが、言いやすさから一般的には「ティッシュ」と発音されることの多いアレ。

和田アキ子が「キャメラ」と言うのを何度聞いても聞き慣れないように、CMでマツジュンが言っても、業界的に正しい発音だとしても、やっぱり一般の人はなかなか言えません。「ティシュー」。
(田幸和歌子)
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