暑い季節のとき、おいしい物といえば、私はザルソバやソーメン、冷やし中華といった冷やして食べる麺料理が思い浮かぶ。つゆにつけてツルツルすする食感がたまらない。
で、こうした料理はお店や自宅でできたてのものをいただくのが当たり前と考えていた。ところが、そうした麺料理を冷え冷えの状態をキープしながら外出先で食べられる便利なポットがある。これは早速試してみたい。

冷やしたそうめん、そば、うどんなどを保冷することができるアイテム『クール麺ポット』(ドウシシャ)。ポット自体が真空2重構造になっていること、そして蓄冷剤が入った水色の容器によって、6度以下の状態を1時間、10度以下なら5時間保冷できる。しかも、これのちょっとおもしろいところは、麺を入れる容器とは別につゆ容器が入っていること。つまりは麺とつゆ両方冷えていないとおいしくないだろうというわけだ。

さてさて、麺を茹でることにしよう(1年ぶりである)。茹ですぎないように! やはり日ごろ慣れたスパゲッティを茹でるときよりも気を遣う。茹で上がった麺をよく冷水で洗って、容器に詰めた。容器量は300ミリリットル、約一人前分が入る。つぎに、つゆ容器(80ミリリットル)によく冷やした状態のめんつゆとネギを入れた。
最後に忘れてはならない蓄冷剤を一番上の専用容器にセッティング。蓄冷剤はあらかじめ8~10時間冷凍庫に入れておく。

今まで弁当をつくったことがなかった私。近くの公園へと持っていく途中、中学生時代に弁当をカバンに入れていったことをふと思い出して懐かしくなった。あのころは、おかずの汁が漏れてカバンがよく汚れたものだった。ちなみに、このポットはつゆ容器と蓄冷剤容器の間にゴムパッキンが入っているので、つゆ漏れの恐れはほとんどない。

ベンチに腰掛けていよいよ試食。本体の外ブタを外して一番上の容器を引っ張ると簡単に全部の容器が出てくる。容器がすべてつながっているわけだ。つまり、蓄冷剤を外すと、つゆ容器の中身が現れ、つゆ容器を外すと麺容器の中身が現れるといった具合。

容器を広げてみると、見栄えもそんなに悪くない。おいしそう! 容器もカラフルで気分がいい。
「いただきま~す」
うん、これは確かに冷えている。とくにつゆがよく冷えているので麺が一層冷たく感じてうまい、うまい。「ごちそうさまでした」
欲を言えば1.5人前くらい入るとうれしいのだが。

ほかに、サラダやデザートを入れるのにもいいのでは。たとえば、麺容器にサラダ、つゆ容器にデザートといったような使い方。そうすれば、夏場以外のシーズンでも使える。シンプルな製品だが、なかなか優れもの。

間近に迫る暑い季節を夏バテしないためにしっかり食べて乗り切ろう。
(羽石竜示)
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