冷え込みの強さが与える影響は体調だけではありません。4大砂漠マラソンでは寝袋も含め自分の荷物は常に持ったまま走らなければいけなく、荷物は1gでも軽くする努力をするため、防寒具も増えることによる負担増は計り知れないのです。

「またチーム戦はルールが独特です。3人以上で構成されていなければならず、チームメイトは常に25m以内にいなければいけません。メンバーがリタイアして3人以下になってしまったらチームとしては失格です」

こうしたルールがあるため、実力者が3人集まるだけでいいというわけにはいきません。25m以上離れてはいけないので、個人戦の成績よりもチーム戦の成績を最優先させるという強い結束が必要になってくるからです。

つまり世界で最も過酷なレースを走り切ることができる信頼関係で結ばれているランナーを3人以上集めないとチーム戦で好成績を残すことはできないのです。

KIZUNAのメンバーは三人(黒澤洋介さん、小野裕史さん、佐々木信也さん)。2年程前に知り合い同じトライアスロンチームに所属しているものの、仕事もバラバラで多忙のため一緒に練習をする時間を取ることはかなり難しい状況でした。それでもメールで練習方法などの情報を共有しながら結束を高め、優勝を狙いにいったとのことです。

「世界一を狙える機会なんてなかなかないですからね」笑いながら黒澤さんは話すものの、優勝までの道のりは文字通り険しいものだったようです。ルールぎりぎりの三人だけで臨んでいたため、一人でもリタイアしてしまったら即失格という状況でした。