小さい頃、悪さをすると、同級生からこんな事を言われませんでした? 「先生に言うよ!」。いや、学校だけじゃない。
家庭では、母親からこんな事を言われたっけ。「お父さんに言うよ!」

そして究極系として、私はこんな事を言ってみたい。「赤鬼に言うよ!」

「メディアアクティブ」が昨年発表したアプリ『鬼から電話』は、言うことを聞かない子供の元へ“赤鬼”から電話がかかってくるアプリである。もしも言うことを聞かない子供がいたら、このアプリを起動させてほしい。すると、すぐさま貴方の携帯へ着信が……。
「もしもし、赤鬼です。……えっ、また言うことを聞かないんですか!? はぁ~、困りましたね。今から行きましょうか? お家、どこでしたっけ? あー、その前に電話替わってもらってもいいですか?」
「コラーーーッッ!!!! 言うこと聞かないと、から~い辛い鍋に入れて、食べちゃうぞ~っ!? 言うこと、しっかり聞きなさい! わかったか!? 言うことを聞かないと、鬼の仲間をイッパイ連れて、お家に行くからな!」

ちょっと、怖いんですけど……。

しかし、なんでこんなアプリを作ったのか。
「私は秋田出身なんですが、小さい頃、悪いことをすると両親から『なまはげが来るぞ!』と言われていたんです。父なんか『電話で呼ぶぞ!?』と、なまはげに電話するフリをしたくらいで……(笑)」(同社・佐々木代表)。このしつけ法が原体験となり、それを形にしたのが『鬼から電話』である。


しかも、鬼だけじゃない。様々なシチュエーションに沿って、様々な人が連絡を寄せてくれる。

例えば子供が寝ない時は「お化けのおちよ」から着信があり、「早く寝ないと、お家にお化けが行きますよ!?」。お片づけをしない時は「佐々木さん」なる人から着信があり、「今、蜂を呼び寄せたから、待っててね。お片づけしない子の所に、ビュンと飛んでいくぞ」。
いや、大人でも怖いんですけど……。

しかし、世のパパやママは同アプリを上手に活用している模様。「鬼から電話」利用者からは、以下のような声が上がっている。
・「娘のお漏らしに頭を抱えていたけど、今日は『鬼が怖いから頑張ったよ!』だって(涙)」
・「アプリを使ったら、すんなり片付けをするようになりましたよ」
・「寝ない孫のために取ったアプリ。このおかげで、すぐ寝たそうです」

しかし一方で、アプリ開発者からは注意点も呼び掛けられている。
「既に子供が怖がり『言うこと、聞くよ!』と言っているのに、最後まで聞かせようとする親御さんもいらっしゃいます。でも怖がっているという事は効果が既に出ているので、その時点でアプリは止めていただきたいのです」(佐々木代表)
それこそ着信音で怖がったならば、そこで止めてしまっても良いという。
変な意味でショックを与えてしまったら、しつけどころの話ではないのだし。

そしてもう一つ。基本的に『鬼から電話』は無料アプリです。ただオプションとして、様々なシチュエーションを有料(iPhone版:85円、アンドロイド版:100円)で追加することもできる。
「そちらを利用すると、ほっこりとした着信もかかって来ます。お風呂に入らない子に妖精が『早く、お風呂に入ろうね』と呼びかけてくれたり、寝ないお子さんに『早く眠くなるおまじないを掛けてあげるよ』と語りかけてくれたり……」(佐々木代表)
臨機応変に、様々なキャラクターを活用するのも手だ。

そんな『鬼から電話』は、今までに250万以上のダウンロード数を記録している。(2013年4月18日現在)
それだけではない。
『鬼から電話』の韓国版を、4月1日から配信しております。また将来的には、『鬼から電話』を世界同時発売する計画も進行中です。多くの言語に対応するアプリを配信します」(佐々木代表)

日本の赤鬼が、世界中の子供たちをしつけに行脚します。
(寺西ジャジューカ)
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