春になって、新しいことを始めたい季節。いろいろな候補はあるけれど、算数や数学に再チャレンジしてみるのはいかがだろうか。


誰にでもできる、とバカにはできない。それが算数・数学。
「一番苦手な教科は算数」と、答える子供はいつの時代もかなり多い。そんな子供が大人になっても、やはり苦手意識は克服できないままのはず。

子供に教える機会が増えた親世代や、就職・転職組。いろいろな理由があるが最近、算数に対する注目度があがってきている。
自力で算数ドリルを解いたり、スマートフォンのアプリで遊びながら学んでみたり。さらには大人のための算数・数学塾まであるそうなのだ。

東京で“大人のための楽しい数学教室”を開かれている、和(なごみ)さんにお話を伺ってみた。

こちらの塾生の平均年齢は30〜40代。
一番人気のカリキュラムを伺うと、
「高校数学は多くの方が受講されています。数学を活用した仕事であれば最低限知っておくべきですし、学び直しとしても手ごたえを感じる分野です」
しかしその前に、学んでおきたいのが基礎の算数。
就職、転職などのSPI対策目的なら、算数から学び始める人も多いそうだ。

そんな算数の中でも一番多くの人がつまずくのが、分数。
「分数から比・割合などの考え方を身につけていけば、仕事で役立つ数字の扱い方、考え方は大体押さえることができます。役立つ実感を少しずつ手にすることで、モチベーションにもつながります」

しかしいざ解こうとしても、やり方をすっかり忘れている人も多い。
人に聞こうにも、大人になった今「分数の解き方をいまさら人に聞くのは恥ずかしい」という気持ちもある。
それに聞かれた人も、なかなかうまく答えられない。
「算数は知っていて当たり前の分野であるので、論理的に分かりやすく大人に教えるのはなかなか難しいのです」
それに、いまさら算数なんてできっこない。と最初から諦めてしまう人も多いそうだ。

しかし和さんはいう。
「十分やり直すことができます。が、大人になってからだと時間も取り辛いですし、一度つまずくと理解するのに時間がかかって挫折することも多いです。まずは自力で解けるところから理解しながら学ぶ。
そして暗記して解くだけでなく、なぜ? をきちんと考えることが大切です」

昔はただ暗記して解くだけだった人も多い。しかし大人になった今、それだけではなく一歩踏み込み、なぜこうなるのか、どうしてこうなるのかを積み上げつつ勉強すると、算数の持ち味である“解く楽しさ”に目覚めるのだとか。

大人になると頭はどんどん固くなる。それに昔苦手だったからという固定観念だけで嫌ってしまうのは、もったいない。
大人になって再勉強すると、昔は気づかなかった新たな魅力に溢れた算数。そんな算数で頭の体操はじめてみては。
(のなかなおみ)
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