先日まで「FIVBバレーボール・ワールドグランプリ2013」や「世界選手権アジア最終予選」が開催され、日々熱戦が繰り広げられていた。
ところで、昔は「リベロ」がいなかったし、1セット25点じゃなかったし、「ラリーポイント制」(サーブ権の有無にかかわらず得点が入ること)もなかった。
いろいろ変わった点が多いのは知っていたが、さらに今回テレビで観戦をしていて、「あれ?」と不思議に思った点がいくつもある。そこで、バレーボールを観ながら感じた様々な疑問を『月刊バレーボール』編集部に聞いてみた。
1・失点のとき、あまり悔しがらないのはなぜ?
相手にポイントをとられたとき、ミスをしたとき、選手は比較的ポーカーフェイスでいることが多かった。また、周りの選手も、余り励ます風はなく、円陣を組んだり、場合によってはハイタッチしたりもしている。たとえば、野球やサッカーなどはミスをするともっと悔しがるし、周りも慰めるけど……これはなぜ?
「ルール上、制約があるわけではありませんが、バレーボールは1セット25点を取らなければ勝つことができません。サッカーなど、そもそも得点が少ないスポーツでは、決定的な場面でのポイントやミスが重要視されますが、バレーボールは流れやリズムが重要視されるスポーツですので、基本的には1点1点のミスやポイントについてこだわっている時間が他の競技に比べてないといえます。ちなみに、ミスをしても“切り替え切り替え”とコート内で声を掛け合うことが多いです」
2・監督はあまり感情を出してはいけないの?
監督はポイントをとっても笑わず、落としても、やや下がり眉になる程度で、表情に出さないのが印象的だった。歯もほとんど見せない。あまり感情を出してはいけないルールがあるのだろうか。それとも、監督の「個性」によるものなのか。
「監督の個性と言えます。かつてロシアの黄金期を支えたニコライ・カルポリ監督は顔を真っ赤にし、タイムアウトのたびに選手たちを怒っていたことで有名でした。
3・眞鍋監督がiPadをずっと手にしていたのはなぜ?
「アナリストが近年は自チームや敵チームのデータを瞬時にベンチに転送し、戦略を練る“データバレー”が主流となってきており、現在の全日本女子バレーの眞鍋監督などのように、手にiPadを持ってデータをチェックしている監督もいらっしゃいます。先の『表情をあまり出さない』という理由も、もしかしたらiPadを持っているので、なかなか大胆な行動に出られないかもしれません(笑)」
ちなみに、ロンドンオリンピックの準々決勝・中国戦は、1点を取りあう大激戦となったが、そのときは眞鍋監督はいつのまにかiPadを手から外し、手を口に当てて大声で選手たちに指示を出していたそうだ。
今回は、得点&失点時の監督・選手たちの不思議について教えてもらったが、まだまだその他にも気になる点は多数ある。後編に続く!
(田幸和歌子)
ところで、昔は「リベロ」がいなかったし、1セット25点じゃなかったし、「ラリーポイント制」(サーブ権の有無にかかわらず得点が入ること)もなかった。
いろいろ変わった点が多いのは知っていたが、さらに今回テレビで観戦をしていて、「あれ?」と不思議に思った点がいくつもある。そこで、バレーボールを観ながら感じた様々な疑問を『月刊バレーボール』編集部に聞いてみた。
1・失点のとき、あまり悔しがらないのはなぜ?
相手にポイントをとられたとき、ミスをしたとき、選手は比較的ポーカーフェイスでいることが多かった。また、周りの選手も、余り励ます風はなく、円陣を組んだり、場合によってはハイタッチしたりもしている。たとえば、野球やサッカーなどはミスをするともっと悔しがるし、周りも慰めるけど……これはなぜ?
「ルール上、制約があるわけではありませんが、バレーボールは1セット25点を取らなければ勝つことができません。サッカーなど、そもそも得点が少ないスポーツでは、決定的な場面でのポイントやミスが重要視されますが、バレーボールは流れやリズムが重要視されるスポーツですので、基本的には1点1点のミスやポイントについてこだわっている時間が他の競技に比べてないといえます。ちなみに、ミスをしても“切り替え切り替え”とコート内で声を掛け合うことが多いです」
2・監督はあまり感情を出してはいけないの?
監督はポイントをとっても笑わず、落としても、やや下がり眉になる程度で、表情に出さないのが印象的だった。歯もほとんど見せない。あまり感情を出してはいけないルールがあるのだろうか。それとも、監督の「個性」によるものなのか。
「監督の個性と言えます。かつてロシアの黄金期を支えたニコライ・カルポリ監督は顔を真っ赤にし、タイムアウトのたびに選手たちを怒っていたことで有名でした。
また日本でも、全日本女子チームを務めた経験もある葛和伸元氏は熱血漢で激しいパフォーマンスで選手たちを鼓舞し、『ニッポンの怒る人』というキャッチフレーズがついたこともあるくらいです」
3・眞鍋監督がiPadをずっと手にしていたのはなぜ?
「アナリストが近年は自チームや敵チームのデータを瞬時にベンチに転送し、戦略を練る“データバレー”が主流となってきており、現在の全日本女子バレーの眞鍋監督などのように、手にiPadを持ってデータをチェックしている監督もいらっしゃいます。先の『表情をあまり出さない』という理由も、もしかしたらiPadを持っているので、なかなか大胆な行動に出られないかもしれません(笑)」
ちなみに、ロンドンオリンピックの準々決勝・中国戦は、1点を取りあう大激戦となったが、そのときは眞鍋監督はいつのまにかiPadを手から外し、手を口に当てて大声で選手たちに指示を出していたそうだ。
今回は、得点&失点時の監督・選手たちの不思議について教えてもらったが、まだまだその他にも気になる点は多数ある。後編に続く!
(田幸和歌子)
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