「和田勉を画像検索したら、なぜか赤ちゃんがたくさん出てきたよ」
中学生の娘がそんな“発見”を教えてくれた。

和田勉さんとは、2011年に亡くなった元NHK名物ディレクターで、才能溢れる演出家のこと。
不思議に思って検索してみると、確かに赤ちゃんの画像がいろいろ出てくる……。

そもそもなぜ娘が和田勉を画像検索したかというと、そこには積年の疑問があった。
実は、親子間での我が娘の愛称は「べんちゃん」だ。理由は、赤ちゃんの頃、髪が少なくフワフワで、笑顔で、和田勉に似ていたから。今は髪も伸びて、娘らしくキレイになり(※本人比)、和田勉には全然似ていないが、親は愛を込めてずっと「べんちゃん」と呼んでおり、顔を知らない本人が気になって検索したというわけだ。

それにしても、和田勉の画像検索で赤ちゃんが出てくるとは。まさかこの赤ちゃんたちも、和田勉似ということ? 調べてみると、ネット上には以下のような証言が多数見られた。

「娘が和田勉頭」
「髪がボサボサで、和田勉風」
「5カ月の娘の髪型が和田勉そっくり」
「4カ月半になりました和田勉ヘアー全開」
「ドリフの爆発オチというか、和田勉というか」
「頭、何故か横の毛だけ抜けず、生えかわらずで、和田勉状態!」
「赤ちゃんって、必ず『ワダベン』に見える瞬間あるよね~」
「赤ちゃんの頃和田勉に似てるって、親に言われてた私」
「寝たあと髪が和田勉になってるときあります」

溺愛の我が子を、愛を込めて「和田勉」と呼ぶ親って、実は珍しくなかったのだ!

では、赤ちゃんはなぜ和田勉似になるのか。美容師さんに聞いてみた。
「和田勉さんかどうかは置いておいて、もともとオジサンのハゲは、赤ちゃんの頃の髪型に戻っていくような感じなんじゃないかと思います。『髪の毛のトップ(頭を横から見て、眉毛の高さから上)は女性ホルモンで、それ以外は男性ホルモンの影響を受けていて、2つのバランスが崩れるとハゲる』という説があるんですが、赤ちゃんもまだホルモンバランスがしっかりしてないから、毛もしっかりしてないのではないかと」
ちなみに、産毛は、髪の毛の中の「間充物質」やたんぱく質が足りないから、柔らかいのだそうだ。つまり、間充物質が髪の中にぱんぱんに詰まっているのが、ハリのある、まっすぐな良い髪で、足りないと、細くなり、偏りができてくせ毛になるのだと言う。

「毛根と言う髪の毛を作る工場が古びてガタが来て、良い髪が作れなくなるのが、中年男性だとしたら、工場が未完成でまだ良い髪が作れないのが赤ちゃんの髪なんじゃないかと思います」

生まれたばかりでも「剛毛」の赤ちゃんがいるが、それは「毛根がしっかり成長している子」で、毛根の成長が遅めの子は、中身の詰まらない毛が生えてくるため、ぽわぽわした毛になってしまうのだろうと言う。
「ちなみに、髪の毛の伸びる速度は、一生のうち、ずっと同じだと思われるので、中身が詰まろうが、スカスカだろうが、伸び続けちゃうのが、同じ人でも髪の質が、体調や環境で変わる原因だと思います」

では、和田勉ヘアのときのオシャレはどうしたら?
「和田勉でも、可愛いと思いますけどね(笑)。たとえば、長さをそのままにしておいて、てっぺんが尖る子は、てっぺんをゴムで縛ってリボン、横が尖る子は、ツインテールでリボンで結ぶのも、可愛いかなと思います」
では、髪を切るときは?
「髪の毛同士がぶつかり、尖ったところがハネて和田勉的な爆発ヘアになってしまうので、なるべく毛穴を見て、生え方そのままにとかしつけ、円く頭の形にそうように、長いところを短いところに合わせて切るのが良いかと思います。どちらかというと、和田アキ子を目指して切る感じですね。そうすると、伸びてきたときにも、円く伸びて来るので、可愛いと思いますよ」

赤ちゃんの頃のフワフワの和田勉ヘアは、親のひそかな楽しみ。可愛いなぁと思いつつも、時折、「ちゃんと髪が増えるだろうか」と不安に感じることもあるが、成長とともに髪質は変わるので心配は無用です。
(田幸和歌子)
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