ゆるキャラ・みしまるくんを使った取り違え展開が、かわいいやらバカバカしいやらで楽しめましたが(みしまるくんのもの言わぬ笑顔がなんとも言えないんですよね)、
なんといってもこの回、秀逸だったのは菩薩(森下愛子)の「うしろメタファー」でしょう。
高校時代、自分の迂闊な行為によって、礼拝堂を燃やしてしまった(それが三女ととんこーの確執の発端になった)ことを誰にも言えずにいる平助(錦戸亮)と、ドンマイ先生(坂井真紀)と禁断の恋に堕ちてしまった一平(えなりかずき)の前に、亡くなった母が菩薩となって現れるのは彼らの「うしろめたさ」の表れでした。
それを「うしろメタファー」とダジャレにしてしまう宮藤官九郎の書くものは、予想の斜め斜め斜め上をいき、もはや角度がよくわからないくらいです。
【メタファー】暗喩。物事を直接的でない方法でたとえること。なわけですが、
「ごめんね青春!」の男子校女子校の合併も、言ってしまえば、男女の恋愛のメタファーですよね。
そして、シスター吉井(斉藤由貴)が「神々しい」と感動した駅伝だって、男と女の共同作業、恋愛や結婚みたいなものの暗喩と考えられるのです。
「いじめも体罰も学級崩壊もなく、ただ漫然と1クールを描き切る」というこのドラマ、いじめも体罰も学級崩壊もありませんが「ラブ」だけはいっぱいです。