bit

歌で患者を癒やす「音楽療法士」とは 『ラスト・ソング 人生の最期に聴く音楽』

なお、著者である佐藤さんは、アメリカのラッドフォード大学大学院に入学して初めて「音楽療法」という言葉を聞いたそうだ。どんなものか試しにクラスをとってみたところ、音楽療法の授業を初めて聞いた日に、「ずっと探し続けていたものを見つけた」と確信して、音楽療法士の道を志した。

そんな佐藤さんは、本書内にてさまざまな曲を歌っているが、その歌声についても天野さんに伺ってみた。
「佐藤さんと一緒にデイサービスや心臓病のお子様が集まる会などをまわり、体感型の音楽療法セミナーをやりました。佐藤さんの歌は本当に優しいです。聴衆が複数いたとしても関係なく、ひとりひとりに語りかけ、そっと心のドアを開いてくれるような、そんな歌声です。余談ですが、佐藤さんは最初によく『こんにちは』の歌を唄います。『こんにちは、○○さん。あなたのために唄ってもいいですか?』と尋ねるのです。いやだったら唄いませんよ、と。そこが佐藤さんの優しさなのかな、と思います。決して歌や音楽を強制しないところがすごいなあ、と感じました」

また印象的だったのが、心臓病の子どもを持つ親御さんが、セミナーの最後に「一人ひとりにこんにちは、と唄いかけることが、まるで生きていてくれてありがとうという言葉に聴こえて泣きそうになりました」と語ってくれたことだとも天野さんは振り返った。
「聴く人の心を揺さぶり、自然と感情の発露を促す。佐藤さんの歌にはそんな力を感じます」

本書には、佐藤さんの優しい気持ちがあふれそうなほどこめられている。そんな佐藤さんの優しさに後押しされ、残された時間を生き抜いた人々、彼らは私たちに幸せの意味を指し示しているように思われる。
(薄井恭子/boox)
編集部おすすめ

あわせて読みたい

コネタの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

コネタニュースランキング

コネタランキングをもっと見る
お買いものリンク