以前、コネタで「和紙で作ったベビー靴」、そして「和紙だけど破れないバッグ」なる記事を書いたことがあります。和紙はまだまだ可能性を秘めていそうです。


そして、見つけてしまいました……。今度は“服”です!
JCネクスト(埼玉県さいたま市)が12月からの販売を予定している『エンディングフォーマル』、その画像をご覧ください。
「天国で式を挙げたい!」 和紙で作るタキシードとドレスを、白装束に
このタキシードとドレスは、和紙製。それには、理由があります。

……どうでしょうか? なんとこれ、埼玉県西部に伝わる「小川和紙」で作ったタキシード、そしてドレスなんです。

でも、正直言ってタウンユースとしては無理がありそう。……が、その用途を聞けば納得していただけるはず。これ、いわゆる「白装束」なんです。お葬式で、亡くなった時に着るためのタキシードとドレスなんです。
「友人のお母様が『死に衣装は、ウエディングドレスが着たい』『結婚式を挙げられなかったから、天国で式を挙げたい』と仰っていたと、耳にしました。そこで『白の和装ではなく、オシャレな洋装の装束があれば……』と、この衣装を製作したのです」(同社・山田さん)
日本の歴史のある和紙であれば残らずに煙となり、天国へと昇るでしょう。白装束の素材として、和紙は最適でした。
「天国で式を挙げたい!」 和紙で作るタキシードとドレスを、白装束に
タキシードは、胸のポケットチーフがオシャレです。

そして、もう一つ。ユネスコの無形文化遺産に、なんと小川和紙の内の「細川紙の制作技術」が登録されました! ……が、和紙作りの技術者が不足しているのが現在の偽らざる状況。
「新しい和紙の使い方を展開し、その商品が売れれば、技術者が育つのではないか?」という期待も、商品化の背景にはあるようです。
「天国で式を挙げたい!」 和紙で作るタキシードとドレスを、白装束に
ドレスは、胸で映えるお花が素敵。

そんな『エンディングフォーマル』、製作の流れとしては
和紙手漉き

型紙カット

貼り合わせ
という手順を踏みます。もちろん金属等が使えないため、和紙を貼り合わせて作る一着。和紙自体も職人が一枚一枚手作業で作っているし、これは大変な代物だな……。

同社サイトにて問い合わせが受け付けられている『エンディングフォーマル』の価格は3万円から。オプションとして、「カラー」「デザイン」「細川紙・杉の粉入り和紙使用」等の相談にも乗ってくれるようですよ。

和紙の新しい活用法として、これって最高ではないでしょうか? 「天国で式を挙げたい」という想いも、本当に素敵です。
(寺西ジャジューカ)
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