ガウディ開発編に突入して2回目となる『下町ロケット』(毎週日曜21:00~、TBS系列)第7話。
一村(今田耕司)、桜田(石倉三郎)とともに佃(阿部寛)率いる佃製作所の面々が新たな心臓人工弁「ガウディ」の開発をめざす。

「下町ロケット」今夜7話。料亭、フレンチ、フレンチ、鉄板焼き…悪役たちは何軒の店を渡り歩くのか
『下町ロケット2 ガウディ計画』池井戸潤/小学館

ひたむきな医師を好演、今田耕司


ある日、福井の北陸医科大で細々と研究を続ける一村のもとに、かつての師匠的存在である貴船(世良公則)がやってくる。いまは人工心臓「コアハート」を日本クライン、サヤマ製作所とともに手がける貴船だが、じつはそのアイディアは一村から横取りしたもの。さらにガウディも「協力する」と言いながら自分のものにしようと画策していたのだ。それをきっぱりと断る一村。今田耕司が心臓外科医役と聞いた時には驚いたものだが、「まじめでまっすぐだがそれゆえ損をする」という役回りの男を好演している。

バカリズム、これからどう動く?


一方、山崎(安田圏)の設計図を自分のものと偽りサヤマ製作所へ転職した中里(高橋光臣)は、コアハート用の改良型人工弁の試作がうまくつくれずにいる。「現行品にしばられないように、独自の発想で改良品を」と現行品を見せない椎名(小泉孝太郎)。困り果てた中里は、実績が残せず開発から外された横田(バカリズム)に、上に許可されたと嘘をつき現行品を見せてもらう。実験してみるとなぜか現行品でエラーが出る……。バカリズム演じる横田の、腹に一物持っていそうな雰囲気がいい。今後どうからんでくるのか、楽しみでならない。

AAになりそうな篠井英介の「ハイ、出直してらっしゃい」


医療品を実用化するためには、独立行政法人医薬品医療器具総合機構(Pmea)の事前面談を受けなければならない。貴船や日本クラインと懇意にしているPmea審査官の滝川(篠井英介)は「貴船に相談しろ」「(佃製作所やサクラダは)吹けば飛ぶようなもんだ」とガウディ計画の面々を鼻にもかけない。「皆さんのためを思って申し上げているんですよ?」という歯の浮くようなセリフ、そして「ハイ、出直してらっしゃい」の顔! 今田、バカリズムと芸人たちがアクセントとなる第7話だが、やはりもっとも強い印象を残すのは篠井の「ザ・嫌なやつ」っぷり。最後に佃の熱い演説をぶつけられおたおたする表情も最高だ。


料亭、フレンチ、フレンチ、鉄板焼き


ちなみに、一村と貴船の関係について、真野(山崎育三郎)から佃たちが聞く場所は「蒲田食堂」という町の食堂。いっぽう、一村に断られた貴船がいらだちながらそれをサヤマ製作所の椎名(小泉孝太郎)らに報告するのはいかにも高級そうな料亭だ。
この回、とにかく悪役たちは会食を重ねる。
・料亭 日本クライン、椎名、貴船
・フレンチ 貴船、Pmea滝川
・別のフレンチ 貴船、滝川、椎名
・ホテルの鉄板焼き 帝国重工、サヤマ製作所
短期間にどんだけ豪華な食事をするんだ! と言いたくなるこの会食シーンの繰り返し。「次週予告」でも貴船はワイングラスを手に持っていた……。さて、ガウディの開発はどうなる? そして悪役たちは何軒の店を渡り歩く? 第8話は今夜!

(釣木文恵)
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