
日本マクドナルドから、何やら不思議な箱が届いた。中には「バカリズム」や「私なら」といったヒントらしきキーワードの書かれたカードが。
最近のマクドナルドといえば、中国の期限切れ鶏肉や異物混入などの不祥事が続き、業績が悪化している。そんな中、秘密の研究施設にメディアを招いてぶち上げる発表会の空気はどのような感じなのか。潜入して確かめてみたぞ!

スタジオMがあるというビルは、ごく普通の外観をしており、入り口のスタッフが案内板を持っていなければ通り過ぎていたほど。本当にこんなところに「スタジオM」があるのかと思いつつビルの奥へと進むと、マクドナルドの店舗が完全に再現された空間が広がっていた。ビル外観と内部のギャップに「秘密基地」っぽさを感じる。

「よろしくお願いします!」「(取材に来ていただいて)ありがとうございます!」と、記者の一人ひとりにとても丁寧にあいさつするスタッフ。気付けばかなりの数の報道陣が集まっていた。不振のマクドナルドがどんな打開策を繰り出すのか、メディアの関心が集まっているらしい。内装はよく見るマクドナルドと変わらないのに、通常の店舗とはまったく異なる、緊張感を含んだ空気がその場に漂っていた。
発表された新商品は、まだ仮称が付いている。正式な商品名は、同社史上初となるキャンペーンとして、一般募集するという。応募案が採用された場合、バーガー10年分相当(390円×365×10)の1,423,500円がプレゼントされる。

発表会には何台ものテレビカメラが集結しており、各局の情報・ニュース番組の名前を耳にした。少しカメラを横に振れば筆者が映ってしまうような近距離で、あるテレビ局は「食レポ」を撮影している。

クルーから新商品を手渡ししてもらい、キャスターが一言コメントする、わずか5秒ほどの映像のために何テイクも撮り直していた。何度やっても嫌な顔せず変わらない笑顔で応じるクルーに感心し、撮り終わるまでずっと様子を観察してしまった。
ちなみにイベントには同キャンペーンのCMにも起用されている芸人のバカリズムとドナルドが登壇していた。まだ会見が始まったばかりで緊張感が残る空気のなか、「じゃ、早速いっていい? オッケー♪」とお構いなしにハイテンションなドナルドに、バカリズムは思わずたじろいでいた。

それでも一向についていけていない報道陣の様子にドナルドも気づき「大丈夫みんな?」と問いかけるも、バカリズムは「大丈夫大丈夫、こういうもんなんです!」とバッサリ。報道陣からこの日一番の爆笑がおこった。

スタジオMの別の部屋には、いわゆる「物撮り」のための商品も用意されていた。

メニュー表示の写真と実際に出される商品でバンズの厚みが違うと時々話題になるが、今回の“名前募集バーガー”は手で丸めたバンズを使っており、試食したものと比べて大差はなかったように感じた。北海道産のポテトやチーズは食感も良く、食べごたえのある味わいに仕上がっていた。
試食会でもスタッフの対応はとても丁寧で、記者一人ひとりに飲み物と“名前募集バーガー”を手渡しするおもてなしぶりだった。不祥事が続いた影響だろうか、報道陣の扱いに細心の注意を払っているのかもしれない。
((TAT)SUYA)