90s

23年前の8月26日放送、岩井俊二の歴史的傑作「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

「打ち上げ花火の奥菜恵を観たことない男は人生を損してる」
90年代の終わり頃、とある大学の映像学科に入学した直後、日本各地から集まった10代後半の男同士でそれぞれ好きな映画の話をしていた時のことだ。
みんな最初はそれぞれスカして見栄を張り、クエンティン・タランティーノやデヴィッド・フィンチャーやダニー・ボイルといった、当時のいわゆる「格好いいお洒落な映画監督」の名前を上げていた。しかし、誰かがふと「俺、岩井俊二の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が好きなんだけど」と口にすると、「実はオレも」「あの奥菜恵は神」なんてほぼ初対面なのに爆発的に盛り上がった。
驚いたのはその場にいた10人弱の男子全員が、本作をテレビ放送時に観ていたということだ。

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』


『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、1993年にフジテレビ系列で毎週木曜の夜8時から放送されていた『if もしも』というオムニバステレビドラマシリーズの一作である。
あの『世にも奇妙な物語』のレギュラー放送終了後に始まった本番組は、タモリが語り手として登場。ストーリーの途中で分岐点があり、主人公はどちらかを選択。そのAパターン、Bパターン両方のエンディングが描かれる。

例えば当時30歳の岩井俊二が監督した『打ち上げ花火〜』の場合では、小学6年生の典道(山崎裕太)とクラスメイトの祐介(反田孝幸)がプールで50メートルの競泳勝負をして、勝った方が美少女なずな(奥菜恵)に花火大会に誘われる。
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