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美しくやさしく将也たちの世界を包む、異例づくしの音づくり――映画『聲の形』音楽・牛尾憲輔インタビュー

 この作品では、あるていど本篇映像ができた段階から、山田監督は僕といっしょにレコーディングスタジオに週一回入って、それまでにできていた音を映像に当てていき、その場で楽器を弾いてアレンジをしたり、リヴァーヴの響きを調整したり、逆に映像に対してうるさい場合は特定の音を抜いたりといった作業をしました。
 劇伴というのは、音響監督さんが「できあがった曲を映像に対して当てる」のが普通のやりかただと思います。でも映画『聲の形』では「曲を作る、整形する」段階から監督が立ち会って、「映画が始まって何分何秒何フレームでどの曲が流れる」といったタイムシートを僕と作成し、共有しています。
 なぜそうしたかといえば、コンセプトを大事にした事と同様に、音楽が果たす役割としてどんな機能が重要か、ということと関わっています。音楽の機能として大事なことは、観ているひとの時間感覚をコントロールすることです。
 たとえばこの作品では、カットの切り替わりがパッ、パッと速い場面があるんだけれども、本当は観客の方にはもっと長さを感じてほしい場面では、ものすごくゆっくりなピアノ曲を当てている。そうすることで、実際以上に体感する時間を引き延ばしているんです。
 音を消したものと見比べてみると、体感時間がもう明白に違う。それをやるためには「できた曲を当てる」ではなくて映像に合わせて曲をいじる必要があった。

異例づくしの音響チームの連携が、前代未聞の音世界を生み出した

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