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杉山勝彦が語った作曲術と音楽家人生「Mr.Childrenのライブで僕の人生が決まった」

乃木坂46や私立恵比寿中学、家入レオなどへの、多数の楽曲提供で知られる杉山勝彦さん。
数多くの名曲を世に送り出しており、特に自身が作曲した倖田來未の『好きで、好きで、好きで。』、乃木坂46の『君の名は希望』『サヨナラの意味』は紅白歌合戦でも歌われました。

そんな杉山さんにこれまでの音楽家人生や作曲についてなど、様々なことをお聞きしてきました!

人生が決まったMr.Childrenのライブ


そもそも杉山さんが音楽の世界を志したきっかけは何だったのでしょうか。そこには、国民的バンド・Mr.Childrenの影響が大きかったようです。
杉山勝彦が語った作曲術と音楽家人生「Mr.Childrenのライブで僕の人生が決まった」
取材に応じていただいた杉山勝彦さん

「横浜スタジアムで歌ってる桜井(和寿)さんを見て、僕はどんな人生を歩んでいくかを決めました」

2001年に行われた「POPSAURUS 2001」ツアーを見に行ったときのこと。そこである運命的な体験をしたと語ります。

「『I'll be』で桜井さんがヘッドバンギングしてマイクから超離れてシャウトしてるのが、生声で聞こえてきたんです。そのときに、この人は富も名声も手にしてるのに、一曲歌い終わったら死ぬぐらいの剣幕で届けてて、なぜこんなに渇いているんだろうと思ったんです。その渇きの理由を一生かけてでも知りたいんですよね」

人生で初めて買ったCDも『名もなき詩』だったという杉山さん。先日は『関ジャム 完全燃SHOW』(テレ朝系)のミスチル特集にも出演し、楽曲の凄さについて熱く語っていました。


杉山さん制作の曲をカバーした桜井和寿


そして昨年、杉山さんにとっても衝撃的な出来事が起きました。なんと桜井さんが、乃木坂46『きっかけ』を「ものすごい良い曲なんですよ」と語り、ライブイベントでカバーしたのです。
『きっかけ』の作曲者は誰あろう杉山さん。この一件は当時、乃木坂46ファンの間でも大きな話題になり、自身もTwitterでかなり喜んでいました。




やはり反響が凄かったようで、昔の友達からも電話がかなり多くかかってきたとのこと。

「いままで音楽をやってて、あんなに懐かしい友達から電話かかってきたのは、最初で最後ですね(笑)」

このように接点がありつつも、未だに桜井さんにお会いしたことはないと語る杉山さん。「会えるものなら会いたい」としつつも、一方でこんな思いもあるようです。

「日本中の音楽やっている人の憧れですので、ただのファンで来られても迷惑だろうと。こいつの音楽面白いなと思ってくださり、ご一緒する機会があれば一番幸せだと思いますね。カバーしていただいたことも話せますし」

ところで、桜井さんはある雑誌で『きっかけ』について、「小林武史プロデュースのミスチル的なアレンジを感じる」とも語っていました。

「おっしゃる通りじゃないですかね。『きっかけ』はドラムのフレーズなど、バンドっぽさを前面に出したんです。僕は桜井さんも大好きなんですが、小林武史さんもめちゃくちゃ好きなんですよ(笑)。天才すぎやろといつも思ってます。イントロに関しては小林さんが僕のヒーローですよね」

「Tomorrow never knows」(Mr.children)や「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」(YEN TOWN BAND)など、数多くの印象的なイントロを残してきた小林武史さん。そんな小林さんからも多大に影響を受けているようです。

「卒業ソング」を多く手がける杉山勝彦


ところで、この『きっかけ』をはじめ、様々なアイドルやアーティストに楽曲提供をしている杉山さんですが、基本的にはオファーされる形ではなく、楽曲コンペで決まるといいます。

「でもそれでいいと思うんですよ。じゃないと世の中に出ても喜ばれないじゃないですか。結局、依頼頂いてても、他の方が良い曲を作られたら表題曲はそちらが選ばれると思いますし」

とはいえ、AKB48『夢の河』(前田敦子の卒業ソング)、乃木坂46『サヨナラの意味』(橋本奈々未の卒業シングル)、SKE48『前のめり』(松井玲奈の卒業シングル)など、グループの大きなターニングポイントとなるような曲を多く制作されている印象を受けます。

「たぶん自分の作る楽曲が暗いというか、切なくなっちゃう曲が多いからじゃないですかね(笑)。でも、卒業の曲ばかりやってると、送り出し人みたいになっちゃうなと(笑)」

最近は、アイドルファンからも"杉山神"と称されるほどの厚い信頼を受けています。ファンからは「この曲調は杉山さんらしい」と言われることもあると思いますが、楽曲を制作するうえでは、"自分らしさ"を出すことが大切であると語ります。
杉山勝彦が語った作曲術と音楽家人生「Mr.Childrenのライブで僕の人生が決まった」

「この人が作るとこうなるよという"自分の色"は絶対必要なんですよ。自分自身で狙ってやってる部分もありますし、それを求めてくださるというのもあって。最近は曲を聴いて、『これ杉山じゃね?』と当ててくださる方が結構いたりします」

秋元康「杉山勝彦さんは本当に天才だと思います」


杉山さんの才能を評価するのはファンだけではありません。 AKB48や乃木坂46などで総合プロデューサーを務める秋元康さんも「本当に天才だと思います」と絶賛しています。

秋元さんが絶賛したことについて、当の本人はどのように感じたのでしょうか。

「全然そんな存在じゃないですから、本当の天才にそんなこと言われてしまって困っちゃいました(笑)。いまだにその影響で、検索関連ワードで"天才"が出てくると古い仲間にいじられますし(笑)。多分、秋元さんはクリエイターですので、ものづくりに命を燃やしている人をお好きだと思うんです。ある意味、空気を読まない曲も初期のころから送らせてもらっていて、『君の名は希望』もあのテイストが求められていない時に作ってお送りした曲なんです。そういう他の方がやらないことをやったクリエイター魂に思って頂いたのかなと」

クリエイティブ論とプロフェッショナル論


これまでに様々な楽曲を作っている杉山さん。その曲調も多岐にわたりますが、自身は「制約」から曲が生まれると考えているそう。

「ポップスのクリエイティビティって制約があるから生まれるものだと思うんですよ。難解なコードを使いまくると一般の人は理解できなくなるじゃないですか。そこに価値はないわけです。シンプルなメロディ、リズムの中でいかに新しいとか、聞きたかったと思わせるものを作れるかを考えるから、その力が磨かれるのだと思います」

より良い楽曲を制作するため、日夜戦っている杉山さん。当然のことながら、私たち音楽の素人とプロフェッショナルの方々では、音楽に対する向き合い方も異なります。
杉山さんは音楽のプロフェッショナルか否かの違いは、次のような部分にあると考えているそう。
杉山勝彦が語った作曲術と音楽家人生「Mr.Childrenのライブで僕の人生が決まった」

「プロフェッショナルかそうじゃないかって"感動の再現性"の有無だと思うんですよ。せつないとか前向きに聞こえるとかって、人間に生来備わったもの。それをなんとなくとか、偶然ではなく、そう感じて欲しいところでその最適なフレーズを作れるのがプロだと思うんです」

メロディが"降りてくる"瞬間とは


しかし杉山さんいわく、「凄く相反していて、なに言ってるのと思われるかもしれませんが、実際に作るときにそうやって考えるかといったらそうではない」とのこと。『あの名曲ではこうだった』というような論理的な考えを全部取っ払い、"感情的"に作られるそうです。

また、杉山さんはメロディが"降りてくる"感覚について、羽生善治さんの著書『直感力』を例に説明します。

「棋士の方は思考を繰り返しているので、瞬時に最善手が浮かぶことがあるそうです。それと同じように音楽をなにも学ばないで降ってくることはあり得ないと思うんですが、学んだうえで毎日曲を作ろうとして考えてると、パッと良いメロディが出ることがあるのかなと」

実際に『君の名は希望』のメロディも「風呂上りにピアノを弾いたらイントロとAメロがサクッと降りてきた」と当時のブログで明かしていました。

フォークデュオ「TANEBI」でも活動中!


そして杉山さんは他の方へ楽曲提供するだけではなく、上田和寛さんとフォークデュオ「TANEBI」を組み、音楽活動をされています。
アイドルに提供する楽曲と、自身が所属するTANEBIの曲とでは、制作する上で違いはあるのでしょうか。

「アイドルの方々はロックでもダンスでも色んな曲を出すので、楽しいですよね。こんな曲思い浮かんじゃったという曲でも、提案することができます。その一方でTANEBIはフォークデュオですから、フォークから離れすぎると変なことになるんですよ。そう考えると、アーティストの方が制約はあると思います」

とはいえ、TANEBIで目の前のお客さんを相手に歌うことは、作家活動とは違った楽しさがあるといいます。TANEBIとしての活動を公式Twitterなどで見ると、ストリートライブを積極的に行うなど、地道な活動をしている印象です。

「やっぱり作曲家に憧れて音楽で生きる道を選ぶ人は少ないと思うんです。多くの方はアーティストに憧れて楽器を手にとるわけで。僕は目の前の人に音楽の感動を伝えられる人でいたいですし、そちら側で旗を振れる人間になりたいという願望が凄くあるんですよ。体力と気力が続く限り相方の上田和寛君とアーティストTANEBIとしての成功を目指して行こうと思ってます」

そんなTANEBIは10月12日に1stアルバムの発売を予定しています。杉山さんのTANEBIとしての活躍にも要注目です!

■TANEBI 1st album『けむり』

【発売日】2017年10月12日(木)
【価格】3,500円(税込)
詳細はこちらから
杉山勝彦が語った作曲術と音楽家人生「Mr.Childrenのライブで僕の人生が決まった」
TANEBI 1st album『けむり』

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