あのツアーがまた帰ってくる。昨年4月から5回に渡り開かれ、一部に熱狂的なファンを呼んできた、アウトサイダー・キュレーターの櫛野展正さんによる「アウトサイドの現場訪問ツアー」が、今年も開催されるのだ。

 
しかも今回は、現場に向かうバスの車内にアウトサイダー・アーティストが直接乗り込み、ファンと直接触れ合いながらカオスな時間を共有できるという新しい試みも計画されているという。そこで櫛野さんに話を聞いた。

――今回で6回目ということですが?

今回は2月24日と25日の2日間行われ、初日の24日はバスツアーで25日は電車で移動するツアーになります。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ…ご当地アウトサイダー続々登場


――24日の内容もスゴそうですね。

まずは田町駅で自撮り写真家として知られる51歳の美熟女・マキエマキさんと合流します。この方は昭和のB級エロを志向する、自撮り写真家です。各スポットでマキエさんをモデルにした撮影会が開催されるので、カメラは必携ですね。

――田町に集合したあと、どちらに向かうんでしょうか。

12年前から、すべて手造りで地下2階、地上4階建ての自邸を造り続ける「三田(みた)のガウディ」こと岡啓輔さんに会います。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――手造りですか?

設計図もなく、即興的に造っているため、いつ完成するかも分からないそうです。近所のホームセンターで購入した建材を、重機も使わずに建築。地下も1年間かけてスコップで手掘りし、コンクリートも自分で精製しています。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――その岡さんは何者なんですか?

一級建築士ですがこの自邸を造ることに全ての時間を費やしています。
現在再開発の問題に巻き込まれていますが、この「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」と名づけられた不思議な自邸は、奥さんと将来住む予定だそうです。
三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――のっけからディープですね。

この後、演歌歌手・みどり○みき(みどり・みき)さんが合流します。この方は高音でシャウトした歌い方の演歌歌手であることから「足立区のレディ・ガガ」と呼ばれる人気の歌い手です。ヒット曲「神様は泣いた」など多くの持ち歌を車内で聴かせてくれることでしょう。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー



「群馬Dズニーランド」を造った男、「伝説の館長兼マン長」にも!


――このあと群馬に向かうということですが?

はい。「群馬サファリパーク」へ行きます。ただし動物を見るわけではなく、昼食のためです。ここのレストランでは、群馬とは関係ないんですけどアフリカ料理が食べられるんです。ワニのから揚げなどもありますんで、サバンナの風を感じてください。

――群馬はアウトサイダーのホットスポットらしいですね。

群馬では、自宅敷地をテーマパークにしたおじさん、中條狭槌(なかじょう・さつち)さんの家を見学しに行きます。廃材を譲り受けたり買い集めたりしてデザインしたサイケな外観・内装に仕立て上げたもので、「群馬のDズニーランド」とも言えます。


三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――どうしてこの方は自宅を造り変えたんでしょうか?

以前、娘さんが車を買ったので、中條さんが車庫を作ってあげたらしいんです。その後、娘さんが成人して家を出たため、その車庫を何かに使えないかと思案していたときに、地域のために奉仕しようと思い立ち、人々を楽しませるための場所にしたらしいです。閉園した保育園の遊具をいろいろ組み合わせるなど、アイディアが満載です。

毎年、このパラダイスは中條さんの手により改良されています。訪問した時、どんな風に進化しているのか楽しみです。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー

――もう1つお楽しみがあるそうですが。

はい。中條さんの趣味が全開の部屋があるんです。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――「壇蜜の部屋」…。

中條さんは、壇蜜のことが寝ても覚めても好きで、その好きが高じて壇蜜の部屋を作ってしまいました。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――「壇蜜と密談中」……部屋の中には何があるんですか?

一面に壇蜜のポスターが貼ってあります。自撮り写真家のマキエマキさんとのコラボが楽しみです。



――最後はどちらへ?

伊香保温泉に近い「珍宝館」に行きます。ここはメディアでも話題の、日本有数のオトナの宝物館。ここの館長兼マン長の「ちん子さん」が、義父が集めたコレクションから発展した3500点以上のアダルト展示物について解説してくれます。

三田のガウディ、足立区のレディ・ガガ、ご当地アウトサイダー登場バスツアー


――どこをツッコんでいいか分からないですね。

本名は清水ちい子というんですが、ある時から「ちん子」と突然名乗り始めました。
このちん子さんの面白いところは、お客さんイジりを交えた作品解説。性別や見た目、年齢に合わせて、下ネタ満載のデタラメなアドリブを展開するんです。メディアでは話題のちん子さんのフリートークを生で堪能する機会です。

翌日25日も開催


――翌日も開かれるそうですね。

埼玉の八潮や三郷、茨城を電車で巡ります。
ラブドールを収集している兵頭喜貴さんのご自宅を公開した「八潮秘宝館」(八潮)、記憶を頼りに自らが食べた食事のイラストと感想を描き続けている小林一緒さんのご自宅(三郷)、絵にメーキャップを施す飯島純子さんのご自宅(茨城)と、3か所をめぐります。こちらはお陰様で完売しましたので、キャンセル待ちになりますことをご了承ください。



わずか1日足らずで、ここまで人生を濃縮に謳歌している人と会えるのはこの時以外ないかもしれない。一生に一度の機会。ぜひ会いに行ってみてほしい。

24日の詳細は・・・http://kushiterra.com/office/2018/02/222.html
25日の詳細は・・・https://eventon.jp/10492

写真提供:クシノテラス
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