1月15日に『知らなくていいコト』(日本テレビ系)の第2話が放送された。“お仕事系ヒューマンドラマ”を謳う今作は、主人公・真壁ケイト(吉高由里子)の私生活と仕事が並行して進んでいく。
両者をつなぐキーワード、第1話は「I Love You」で第2話は「DNA」だった。
吉高由里子「知らなくていいコト」2話。柄本佑推し激増する中、あえて逆の可能性を予想してみた
イラスト/まつもとりえこ

【第2話あらすじ】殺人犯のDNAが自分の中に生きているかもしれない


「週刊イースト」次週のネタとして“DNA婚活”について調べるよう振られたケイト。事前にDNAを調べた上で相性のいい相手を紹介してくれる結婚相談所のシステムを胡散臭く感じながら、ケイトはDNA婚活イベントの取材に向かった。すると、なんと10組中9組が一番相性のいい相手を選び、カップルとして結ばれたのだ。イベント終了後、ケイトは唯一カップル成立しなかった男性参加者・山際(えなりかずき)が結婚相談所事務局の女性・笹野(市川由衣)と会っているところを目にする。
その夜、遺伝学の教授から「親の経験が子どもに遺伝する」というマウス実験について聞いたケイトは、殺人犯・乃十阿徹(小林薫)のDNAが自分の中に生きているかもしれないと陰鬱な気分に……。帰宅途中、撮影に向かう尾高由一郎(柄本佑)と鉢合わせしたケイトは、かつて出所時の乃十阿の写真を撮った尾高が自分に何かを隠しているのでは? と追及し、杏南(秋吉久美子)から「ケイトの父親は乃十阿」と聞かされたことを尾高は告白した。

後日、「私が乃十阿徹の子どもだってわかってて結婚しようって思ってくれたの?」と尾高に尋ねたケイト。尾高のプロポーズを断った過去を思い出した彼女は、「時間よ、戻れ」と泣きながら後悔した。

春樹の拒否反応には裏の理由がある?


“DNA婚活”の取材をしていく中、DNAには習慣や経験も組み込まれ、それは親から子へ遺伝すると知ったケイト。殺人犯の子どもは殺人を犯すと言われたような気持ちになったのではないか。

夜中の編集部で、ケイトは野中春樹(重岡大毅)と2人きりになった。ケイトから「コーヒー飲む?」と缶コーヒーを差し出された春樹。その瞬間、春樹はおぞましいものを見るような視線をケイトに向けた。
乃十阿徹は飲み物に毒物を入れたとされる無差別殺人犯だ。
「そんな……恐ろしい人見るような目で見ないでよ。私が何したっていうの? 私が……人殺しだとでも思ってんの?」(ケイト)

出勤前、自分を待ち伏せしていたケイトが差し出したコーヒーにも春樹は口をつけていない。明らかに春樹はケイトのDNAに怯えている。ただ、その怯え方が異常なのだ。ケイトに送った視線には怯えだけでなく軽蔑、そして恨みの感情がこもっているようにさえ見えた。

そもそも、ケイトにプロポーズしたときから彼の態度は豹変しすぎだ。春樹のケイトに対する拒否反応には何か裏がある気がする。例えば、春樹の知人や親族に乃十阿が起こした事件の被害者がいるとか……。“殺人犯の娘”だからじゃなく、“あの事件の犯人の娘”だから春樹はケイトに怯えている。そんな説が思い浮かんでしまうのだ。

尾高は“男前キャラ”のままなのか?


尾高は杏南から「ケイトは乃十阿の娘」と知らされ、それを承知でケイトにプロポーズした過去があった。

“DNA婚活”で相性が最悪と診断されたのに笹野にプロポーズした山際。2人を前に「DNA関係なしにプロポーズしてくれる人なんて他にいませんって!」とケイトは訴えかけていたが、そんな存在はケイトのそばにもいたのだ。

相手が殺人犯の娘と知って婚約破棄した春樹と、殺人犯の娘とわかっても寄り添おうとした尾高。尾高と春樹は真反対の人間性に思える。尾高は魅力的な男である(Twitterを見ると、視聴者がどんどん“柄本佑推し”になっていくのがわかる)。ケイトが尾高にすがりつくのも当然な気がする。


ただ、尾高は妻子を持つ男。杏南が既婚者である乃十阿と関係を持ち、愛の証として生まれた子どもがケイトだった。酒に酔ったまま夜中に既婚者男性の元に押しかけ、昔話をしながら涙を見せたケイト。よく考えると、彼女のやっていることは相当エグい。もし、ケイトと尾高が不倫に発展したならば、やはり「DNAには逆らえない」という結論に着地してしまう。次回予告を観ると、ケイトは尾高とキスをしている。
ケイトの「キスしたいです」というセリフは吉高由里子ならではという気がして、ある意味、震える。

もう1つ、気になる点がある。ケイトを殺人犯の娘とする証拠は杏南の言葉だけだし、それは尾高の証言によるものだ。そもそも、殺人犯との関係を赤の他人にいきなり打ち明けてしまうものだろうか? 尾高が話を捏造した可能性が捨てきれないのだ。このまま尾高が“男前キャラ”のまま終わるのか? という疑問もある。

それにしても、杏南が「ケイちゃんのお父さんはキアヌ・リーブス」なんて言わなければ、はじめから何も起こらなかったはずだ。週刊誌記者のケイトが調査をし、乃十阿徹まで辿り着くのは当然である。知らなければ何も変わらなかったのに、知ってしまったがゆえにたくさんの歪みが生じている。まさしく、「知らなくていいコト」だった。
(寺西ジャジューカ)

『知らなくていいコト』
脚本:大石静
主題歌:flumpool 「素晴らしき嘘」(A-Sketch)
音楽:平野義久
演出:狩山俊輔、塚本連平 ほか
プロデューサー:小田玲奈、久保田充、大塚英治(ケイファクトリー)
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:日本テレビ
※各話、放送後にHuluにて配信中