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『おかえりモネ』第119回「みーちゃんは悪くない」ようやく幸福に満たされた未知 そして明日、最終回!

『おかえりモネ』第24週「あなたが思う未来へ」

第119回〈10月28日(木)放送 作:安達奈緒子、演出:一木正恵〉

※本文にネタバレを含みます

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この回入れてあと2回。震災のとき、祖母の雅代(竹下景子)を置いて避難してしまったことをずっと引きずっていた未知(蒔田彩珠)のことを思う百音(清原果耶)。百音の部屋の天窓から彼女の後頭部を映す。最後だからセットをふんだんに使用していろんな角度で物語を映し出す。

【レビュー一覧】『おかえりモネ』のあらすじ・感想(レビュー)を毎話更新(第1回〜第119回掲載中)

またひとつ悩みを抱えた百音の元に、登米からサヤカ(夏木マリ)が訪ねて来た。マスクをしていて、百音が近づくと「近い近い」と気遣うサヤカ。菅波(坂口健太郎)が東京に戻った理由である感染症の用心であろうか。

サヤカは登米の頃と同じように百音の心に寄り添って、そのままでいい、ゆっくりでいいと言ってくれる。登米に行ったから今の百音がある。百音は「サヤカさんみたいになりたい」と未知にとってのサヤカや森林組合のようになりたいと考えるのだ。

百音にはまだサヤカさんのように豪快な感じがないけれど、他者の声に耳を傾けてそのままでいいと肯定する人にはすでにだいぶなっている。彼女がそばにいるから、菅波も亮(永瀬廉)も未知もみんな心の内に秘めていたものを外に出して少し楽になった。あんなに人間のできた祖父や父母のいる家庭がその役割をしないのは百音も同じであり、家族とはまた違う、別の場所や人が人間には必要だということであろう。

サヤカも未知のことを知っていて、幼い頃の百音と未知を思い出し、百音の愛称・モネの由来がここではじめて語られた。それは姉妹の愛情の思い出でもあった。

ここで印象的なのは「ひとりで寂しくないか?」と龍己(藤竜也)に訊かれたサヤカの反応である。「私はあの子の中にいる。それで十分」とサヤカは心底満たされたように微笑む。

この発言の解釈は多様である。ひとりで生きている者として、また、老いてやがてこの世を去る者として。前者の場合、たとえ家族がいなくても他者とつながっていれば決してひとりではない。後者の場合、伐採される木のように、その後、何かの役に立つことで生き続けることができる。どちらにしても希望に満ちて前向きだ。

サヤカと龍己の前には笛から芽生え育ったブナの鉢植えがある。これには亡くなった雅代の魂が宿っている。

冬の海の寒さに腕組みした百音が未知と連れ立って海辺に出て、語り合い抱きしめ合い、未知を島の呪縛から解放しようとする時、雅代が静かに語りかける。「忘れないって大事だけど苦しい。だから時々忘れて笑ってね」。

亡くなった人からしたら、忘れられたら消えてしまうので寂しいのではないか。でも悲しい思い出に傷つき前に進めないのなら、たまに忘れてもいい。愛する者に対しては亡き人はそう思うかもしれない。

このような想いがよぎるのは震災を体験したからとは限らない。世の中には罪悪感に苦しんでいる人たちがたくさんいる。あらゆる出来事において自分にはまったく非がないと自信満々の人よりも、自分はこれでいいのかと自戒しながら生きている人のほうが多いのではないだろうか。そんな時、互いに、その気持ちを受け止め、助け合えたら素敵だ。家族でも家族以外の人でも誰でもいいから。

『おかえりモネ』第119回「みーちゃんは悪くない」ようやく幸福に満たされた未知 そして明日、最終回!
写真提供/NHK

久しぶりに幼なじみが集まる

百音はやさしい傍観者なだけでなく、気象予報士の仕事も少しずつ前に進んでいる。企画発表の場に仙台の放送局に赴いた莉子(今田美桜)が取材にやって来た。すっと手をあげて質問する莉子はよそ行きの顔をして、百音もよそ行きの顔で答える。でも心の中ではわかり合っていて、あとで、お互い顔を崩して語り合うところは馴れ合わない友情を感じて好感度が高い。

百音の励ましによって未知は大学進学を決意し、試験を受け合格する。亮と未知もまた百音と菅波と同じ路線を歩むのか。

久しぶりに明日美(恒松祐里)も島に戻って来て、三生(前田航基)悠人(高田彪我)と未知と百音とでおしゃべり。宇田川さんの手書きらしき未知へのお祝いの文字が飾られている。小さく亮の船のことも書いてある。


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