自民党は憲法のどの部分を改正したいのかをはっきり示すべきだ。3日のNHK番組で、民進党の枝野幸男幹事長は自民党の谷垣禎一幹事長に迫った。
自民党の憲法改正草案は現行憲法の平和主義、国民主権、基本的人権の尊重という3原則を破壊するもので「悍(おぞ)ましい草案」と酷評。自民党の谷垣禎一幹事長は「あれにこだわっているわけではない。国会の中で議論していけばいいと思う」とこだわっていないとした。
自民党の谷垣禎一幹事長は「自民党改憲草案はたたき台として野党の時にまとめたもの。憲法改正の発議権は国会が持っており、3分の2の多数で発議しなければならない。それから国民投票にかける。まず国会の中で合意をどういうふうに作っていくかが大事。私は少なくとも野党第1党と合意できるような内容を考えるべきと思っている」と反論。
枝野幹事長は「憲法改正を公約に書きながら、あの草案しか示していない。あの案のどこをやり、どこをやらないのか示さないと、あの全体を進められたら危なくて困るという認識は国民の認識として当然」とした。
谷垣幹事長は「戦後70年経って、憲法の条文と現実に乖離している部分がる。
枝野幹事長は「現行憲法の平和主義、国民主権、基本的人権の尊重という3原則を維持する中での微調整については(憲法改正を)やるべきだと考えるが、衆参で多数の議席を持つ第1党の自民党から、この3つを破壊する憲法草案が提起され、この選挙で公約の中に憲法改正が掲げられている。こんな改正草案が出されるのであれば、微調整を棚上げするのは当然で、現行憲法を維持し、3原則を破壊するようなことは許さないというのは当然の判断」とした。
また、枝野幹事長は安全保障について「日本の領土領海を守る上での安全保障に対する対案は出している」と強調。そして「憲法で改正したい部分をしっかり言ってください。変える部分を言わないで、あんな悍(おぞ)ましい憲法改正草案を出していることが問題だ」と自民党の改憲草案を酷評した。
谷垣幹事長は「あれにこだわっているわけではない。国会の中で議論していけばいいと思う」と答えたが、自民・民進両党の憲法への姿勢、違いが鮮明になった。(編集担当:森高龍二)