今週水曜日(2月27日)にニューシングル『三回目のデート神話/ふわり、恋時計』をリリースするつばきファクトリー。『月刊ENTAME』誌上にて、毎号多彩なゲストを迎えて対談する連載「こぶつば夢工房」を盟友・こぶしファクトリーと共に連載中だ。
今回はニューシングルのリリースを記念して、数ある連載の中からBerryz工房のキャプテン・清水佐紀をゲストに迎えた回(2018年10月号)を特別掲載する。

──こぶしとつばきの両ファクトリーは、具体的にBerryz工房の何を継承しているんですか?

清水 いきなり難しいことを聞きますね(笑)。

広瀬 結成当時のこぶしファクトリーは曲調もコミカルだったし、8人それぞれの個性が常に爆発している状態だったんですね。うるさい子もいれば、静かな子もいる感じで。そういう個性がバラバラなところを指して、Berryz工房さんに似ていると言われることは多かったです。

清水 やっぱり、そう言われことがあるんだ。ちなみに熊井(友理奈)ちゃん枠は誰になるの?

広瀬 一番背が高いのは和田桜子ちゃんだけど、どんどん背が伸びて……というか、脚ばかりがどんどん伸びているのは浜浦彩乃ちゃん。

谷本 「脚ばかり」って(笑)。

広瀬 あと須藤茉麻さんが「Berryzの母」って呼ばれていたじゃないですか。それで言うと和田桜子ちゃんは母性が強いので、「こぶしの母感」は出ていますよね。

清水 そうか~、なるほどね。

広瀬 だけど、メンバーが5人になってから変わった部分は大きいんですよ。
いい意味でも悪い意味でも、まとまっちゃったと自分的には感じていて……。アカペラに挑戦したり、しっかりパフォーマンスを見せるという面で、今は5人が同じ方向を向いているんです。それはいいんですけど、同時に8人の個性が爆発していた〝こぶしらしさ〟も失いたくないんですよね。

清水 でも、たしかにこぶしが8人で結成されたとき、私もBerryzに似ているとは思った。グループの中で「あの子には負けたくない!」という気持ちが強そうだし、それぞれのちょっと我が強そうな感じとかね(笑)。Berryzの場合、同期の℃-uteがみんなで手を繋いで同じ場所を目指すスタイルだったから、私たちのバラバラさ加減がより際立ったところもあるけど。

──Berryz工房もメンバー仲はよかったじゃないですか。

清水 本当ですか? ちゃんと仲よさそうに見えていたなら、よかったです(微笑)。それは冗談として、特に初期はバチバチ争っていましたね。歌割りとか場位置とかで。でも、そういうのもグループでやる上で大事だと思うんですよ。Berryzの場合、とにかく2トップ(夏焼雅菅谷梨沙子)の気が強かったですから(笑)。
でも後半はそこまで競い合うこともせず、「私は私!」って我が道を進んでいたかも。

谷本 でも、それってお互いがお互いのことを信用しきっているからこそ、できることなんでしょうね。

清水 そうかもね。アイドルをやっていると、「こうしなくちゃいけない」みたいな決まり事がなんとなく出てくるじゃない。みや(夏焼)とか梨沙子は、そんなの関係ないんだよね。「抑えるべきところさえ抑えれば、自由にしてもいいんだ」ということを、他のメンバーも2トップから教わった気がする。

広瀬 それで言うと、浜浦&井上(玲音)というこぶしの2トップも見た目通りに気が強い! ただ、他のメンバーがおとなしいかというとそんなこともなくて、和田・野村(みな美)・私の3人も譲らないところは譲らないんですよ。そのチグハグ感が上手く作用することもあるけど……リーダーとしては大変(笑)。



谷本 話を聞いていて思いましたけど、つばきファクトリーはBerryz工房さんに1ミリも似ていませんね。グループ内で争うこともしないですし。知れば知るほど「あぁ、全然違うんだな~」って感じがします。

──そんなグループのコンセプトを根底から否定するような(笑)。


清水 メチャクチャだよ(笑)。
谷本 だって、そもそも気が強いメンバーがいないんですから。もっと平和な集団なんですよね。

──Berryz工房とは関係ないと言うなら、どういうグループだと谷本さんは説明するんですか?

谷本 そんなの、アレですよ。今は「清楚」ですよ。……アハハハ!

清水 何で、そこで唐突に笑い出すのか(笑)。じゃあ、昔はどうだったの?

谷本 昔は「物静か」です。

清水 確かにね。昔は本当に何もしゃべらなかったもんね。

谷本 昔よく言われていたのは、「こぶしはBerryzに似ている。つばきは℃-uteに似ている」ってこと。それも自分たちではピンと来なかったんですけどね。
私たちが℃-uteさんと比べられること自体、恐れ多いというか……。

清水 いや、でもベリキューの間でもそういう話は出ていたよ。「デビューまでの下積みが長いことも含めて、どこか似ているよね」って。

谷本 う~ん……まぁでも、そう言ってもらえるのはすごく光栄なことですよね。Berryz工房さんと℃-uteさんが配合されたグループ。それがつばきファクトリー、みたいな。

清水 「配合」って(笑)。言葉遣いが本当に独特だよなぁ。谷本ちゃんって、最初はすごくおとなしかったんですよ。ちゃんと気を遣ってくれている感じで。ところが、すぐに私のお尻を触ってくるようになって。

──そんなことしたら、全国の清水さんファンから嫉妬されますよ!

清水 だって、そもそも私がアイドルとして活動していたこともたぶん谷本ちゃんは知らないんですよ。
「誰、この人? アドバイザーとか言っているけど、何でここにいるの?」みたいな感じだったし(笑)。

谷本 正直言うと、清水さんのことは知らなかったです。すごく失礼だったと思います。私、もともとアイドルに興味があったわけじゃなくて、勉強するよりアイドルの方が楽しそうだと思って芸能のオーディションを受けたんですよ。いざアイドルになったら、学校の勉強なんか比べ物にならないくらいにレッスンが大変で、「話が違う」って思いましたが(笑)。そんな感じなので、ハロプロ研修生に入ってもメンバーの名前が分からなかったんです。

広瀬 信じられない! そんなこと本当にありえるの!?



──広瀬さんにとって、清水さんはどういう存在だったんですか?

広瀬 手が届かない憧れの存在……ですかね。私がいたナイスガールトレイニーでは、(ハロプロと同じつんく♂門下生だったため)Berryz工房さんの曲をやることが結構あったんです。それで振りを覚えるとき、必ず見ていたのが清水さん。ものすごくお手本にさせていただいていました。たぶん一番影響を受けたかもしれない。それに私は清水さんのダンスだけじゃなくて歌声も大好きなんです。
もう神みたいな存在だから最初は挨拶するのも躊躇しましたし、今こうしてお話できていることも信じられないくらいです。お尻を触るなんて滅相もない!

──対称的な2人ですね。

清水 でも、私としては谷本ちゃんの存在がありがたかったですよ。つばきはみんな真面目だから、結構かしこまった感じなんです。そんな中にフランクな谷本ちゃんがいると、空気が和むんですよね。それに、なんだか話しやすいんです。気が合う……と言っていいのかな? 友達感覚でいられるんですよ。

谷本 それは私も同じです! 頼りになるし、優しいし、話しやすいし……。6人の頃、つばきファクトリーは先生に怒られてばかりいたんですね。本当に何をやっても怒られていたくらい。当時の私たちの口癖は「あぁ、またダメだったね……」。そんな状態が続けば、さすがにつらいですよ。だからこそ、清水さんの温かい言葉が響いたんですよね。

清水 苦しんでいたよね。見ていても、楽しくなさそうだったし。もちろん6人だって好きなアイドル活動をしているのだから、楽しくないわけはなかったはず。だけど、その気持ちが伝わってこなかったんだ。たぶん当時の6人は、なぜ自分たちがダメ出しされているかも分かっていなかったと思う。Berryz工房も最初はそういう時期があったから、すごく分かるんだけどね。

谷本 そうですね。こぶしファクトリーが先にデビューしたことも焦りや不安に繋がりました。

──そういえば、清水さんは久しぶりにハロコンに出演されたとか。

清水 いや~、すごく緊張しました! 10年以上アイドルをやっていたのに、ホームじゃない感じが満載で(笑)。私が最初に出演した名古屋公演は道重さゆみさんと一緒だったんですけど、道重さんも緊張していました。それとリハーサルも緊張した! ハロプロの後輩たちが、ズラリと客席に座ってステージを凝視しているんですよ。「この注目の中でやるのか」というプレッシャー! やりづらいったらないですよ!

広瀬 パフォーマンスを学びたいというメンバーもいたし、私みたいに単純なファン感覚でステージを見つめる人もいたし(笑)。

谷本 私たちに教えてくれていたときの清水さんと、ステージにいるときの清水さんでは別人だと思いました。なんというか……キラキラが違うんですよ。まぶしかった。

清水 谷本さんにそんなふうに言っていただけて光栄です(笑)。

──では、最後に可愛い後輩たちにメッセージをお願いします!

清水 アイドルにはいろんなスタイルがあるし、目指している方向もみんな違っていいと思う。ただ、向上しようとする気持ちは失わないでほしいな。2人はこの先も壁にブチ当たることがたくさんあると思うけど、そんなときは「なぜ自分はこの活動を始めたか?」という原点に戻ってほしいんです。まずは自分が楽しんで。そしてハロー!プロジェクトの一員としての誇りを持って、先輩から学んだことを後輩に伝えてくれたらうれしいかな。

広瀬・谷本 はい、これからも頑張ります!

(『月刊ENTAME』2018年10月号掲載)しみず・さき
1991年11月22日生まれ、神奈川県出身。O型。Berryz工房。ニックネームは「佐紀ちゃん、キャプテン」。黄金期のハロプロを支えた振付師・夏まゆみに「助手にしたい」と言わしめるほどのずば抜けたダンスセンスを持つ。また、演技力にも定評があり、現在は舞台を中心に活躍中。

ひろせ・あやか
1999年8月4日生まれ、神奈川県出身。O型。こぶしファクトリー。ニックネームは「あやぱん」。パワフルかつ繊細な歌声でこぶしファクトリーを牽引する一方で、多いときは月に50冊読むというハロプロ随一の読書家。実際に読んだ本を紹介する連載を持つほど活躍の幅を広げている。

たにもと・あみ
1999年11月16日生まれ、北海道出身。B型。つばきファクトリー。ニックネームは「あんみぃ」。美人として名高い元°C-uteの矢島舞美をもってして「美人」と言わしめる逸材。だがその実態は人のお尻を触るのが大好きなやんちゃガール。撮影時も清水のお尻に触れ「柔らかい」と一言。
清水佐紀 広瀬彩海 谷本安美「ハロプロ ファクトリー魂 継承座談会」

つばきファクトリーニューシングル
『三回目のデート神話/ふわり、恋時計』
2月27日(水)発売
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