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──「仁義なき戦い~彼女たちの死闘篇~」の舞台に出演が決まったとき、どう思いました?
豊永 最初にお話を聞いたとき、思わず叫びました。ずっと役者を目指しているとは言ってきましたが、まさか今、芝居のお仕事で名前を挙げてもらえるとは思っていなかったので、本当に驚きましたしうれしかったです。その後共演するメンバーを知って、錚々たるメンバーの中に自分がいることが信じられなかったです。しかも会場は、福岡に生まれ育って芝居を志している人間ならきっと一度は夢見る博多座。個人的にも、本当に思い入れのある場所です。コンサートでは立たせていただいていましたが、ここで舞台ができるんだと思うと、涙が出てきました。
──実際に映画『仁義なき戦い』を観てもらいましたが、どうでした?
豊永 作品自体はもちろん知っていましたが、なかなか観る機会がなく、今回初めて観ました。観る前は、やはりあの主題歌と題字、そして菅原文太さんの作品というイメージでした。映画は、思わず目を覆ってしまいそうなシーンもありますが、不朽の名作というのはこういうことなんだなと思いましたし、素直に映画としてとても面白かったです。1人ひとりの人生の掛け合いで、忠義もあれば、裏切りも復讐もある。
──作品の中で気になった人物はいましたか?
豊永 広能(昌三・菅原文太)は、きっと根がお人好しなんだろうなと思いました。誠実な人間で、とても魅力的でした。女を守り、その世界のルールに背くことはしない。信じた人や道理に真っ直ぐな人なんだなと感じました。だけど、広能が信じた人というのが、山守(義雄・金子信雄)ではなく、若杉(寛・梅宮辰夫)であることに、すごく気持ちが高まりました。若杉と出会い、始まった広能の新たなる人生。きっと、若杉の、「山守という人が分からなくなった」という一言がずっと引っかかっていたのではないかと思うと、切なかったです。でも一番印象に残っているのは、柱に向かって泣き出す(槙原政吉役の)田中邦衛さんです。
──『仁義なき戦い』では、裏切りや予想外のことがどんどん起こりますが、アイドル活動と共通点を感じた部分はありますか?
豊永 予定調和なことが1つもないところは似ているかもしれません。同じ仕事でも、何を大事にするか、何のために生きるのかそれぞれで、自分の正義が他人から見たら違うようになるのも、また似ているのかも……。
──豊永さんが演じる、神原精一は山守組の若い衆です。
豊永 山守組と土居組の抗争に繋がるキーパーソンだと感じました。寝返るというのは、そう簡単に決められることではないと思うので、セリフにはない感情の運びなどが難しいと思いますが、とてもやりがいがあると思っています。
──『仁義なき戦い』は主役以外の俳優にも脚光があたり、彼らがその後主役級の活躍をするようになったエポックメイキング的な作品でもありますね。
豊永 私が演じる神原精一役は、裏切りの理由も、することも、好かれるキャラではないと思いますが、舞台が終わる頃豊永のイメージが変わるくらいに演じたいなと思います!
▽豊永阿紀(とよなが・あき)
1999年10月25日生まれ、福岡県出身。B型。チームH所属。4期生。ニックネームは「あき」。
(取材・文/鈴木長月)
▽AKB48グループ特別公演
日程:11月9日(土)~24日(日)
場所:博多座
【第一部】仁義なき戦い~彼女(おんな)たちの死闘篇~
脚本:上條大輔/演出:奥秀太郎
原案:飯干晃一「仁義なき戦い」(角川文庫刊)
原作:1973年「仁義なき戦い」(東映) 監督:深作欣二/脚本:笠原和夫
出演
AKB48:岡田奈々、小栗有以 、込山榛香、谷口めぐ、福岡聖菜、向井地美音、武藤十夢、横山由依
SKE48:斉藤真木子、須田亜香里、高柳明音、谷 真理佳、古畑奈和
NMB48:東 由樹、加藤夕夏、川上千尋、白間美瑠、村瀬紗英 、山本彩加、吉田朱里
HKT48:秋吉 優花、上野 遥、熊沢世莉奈、栗原紗英、神志那結衣、堺 萌香、坂口理子、武田 智加、田島芽瑠、田中美久、豊永阿紀、松岡菜摘、松岡はな、水上凜巳花、村重杏奈、山下エミリー
NGT48:荻野由佳、清司麗菜、中村歩加、西潟茉莉奈、西村菜那子、本間日陽
STU48:石田千穂、今村美月、岩田陽菜、沖 侑果、瀧野由美子
【第二部】あんみつ姫プロデュース レヴュー48
博多座公式サイト
https://www.hakataza.co.jp/lineup/201911/akb48/