STU48の1期生として15歳で加入、2017年の結成以来9年間活動してきた石田千穂が、卒業を発表した。地元広島を含む瀬戸内に創設のグループで夢を叶え、全シングルで選抜入り。
ソロでの俳優業でも印象を残した石田が、卒業を決めるまでに至った裏側、そして改めて思うSTU48やメンバーへの気持ちを語った。(前後編の後編)

【写真】STU48を卒業する石田千穂の撮り下ろしカット【9点】

――卒業の相談も中村舞さんに打ち明けていたそうですが、中村さんとの日々や絆を振り返ると?

石田 何でも話せる関係ですね。なぜか遠征先のホテルもよく一緒でしたし(笑)。嫌なことがあって発散したい時も彼女に受け止めてもらっていて(笑)、よしよししてくれたのにも感謝しています。性格は正反対なんですが、思考回路は似ていたのかも。

――どのように、でしょうか?

石田 私がのんびりしていて、舞ちゃんが考えすぎて抱え込みがちなタイプなので、彼女が落ち込んでいても私が「なんとかなるよ」って楽天的な気分にするような関係ですね。彼女はドラフト3期生で入ってきてくれて加入時期も近くて、活動のことになると真面目な話ができて、お互いに同志のような存在だったと思います。人には絶対に見せないし言えないようなことも、舞ちゃんの前でなら話せます。

――石田さんはSTU48に加入する前、アクターズスクール広島にも通っていました。当時はアイドルという職業にどんなイメージが?

石田 アイドルを目指してはいましたけど、まだ習い事みたいな感覚が強くて。周りの子たちのストイックさに比べると、友達に会えるのが楽しいから通っていたような。地元に新しいグループができたっていう縁がなかったら、アイドルになれたかどうかもわからないですね。


――実際、STU48でデビューできてからはいかがでしたか。

石田 グループで最初にいただいた『瀬戸内の声』で選抜になれなくて、それが悔しくて「次の1stシングルで選抜に入れなかったら辞める」って、本気になれた最初のきっかけでした。といっても本音はまだ「選抜に入れたらいいな」くらいの感覚でいましたが(笑)。その1stからずっと選抜に選んでいただいて、ちょっとずつ立ち位置も前になってビジョンもはっきりしてきました。

――それから9年間続けられた理由を、一言で挙げるなら?

石田 アイドルが天職に思えてきたんですね。最初は私自身9年もやれると思っていなかったのが、気づいたら同期を見送るようになって、『最後の1期生になるまでいるかも』と思うくらいに毎日が好きになりました。

――その、ずっといたいと思うくらいになってきた時期はいつ頃でしょうか。

石田 3~4年目ぐらいですね。その頃はまだMCでも全然しゃべれなくて、手を挙げたらファンにもメンバーにもびっくりされるような子でした。でも2期生の後輩たちが入ってきて、素のへにょへにょした自分のままじゃダメだなと、トークも頑張りました。

――ではSTU48での9年間で、一番自分を成長させてくれた、といえる経験はありますか?

石田 5年前に一度お休みをした時期がありましたが、その時にマインドというか考え方が変わりました。よく小さなことでくよくよしていたんですが、休養ってそんな小さな悩みとは訳がちがっていて。
それで客観的に思い直したら、「人は思うほど私のことを見てない」のかなと。肩の力が抜けて「なんとかなるわ」って良い意味で開き直れて、その方がもともとのんびりした私に合っているのかなと思ってます。

――そしてSTU48の楽曲の中で、石田さんが特に大切にしている曲を教えてください。

石田 『息をする心』(9thシングル)ですね。センターをいただいた以上に、自分の心に寄り添ってくれる歌詞が刺さりました。こういうメッセージ性の強さはSTU48ならではなので。自分でも歌いながら、楽曲たちに助けられてきました。

――4年前には『花は誰のもの?』の平和を求めるメッセージがヒットしたりもしましたね。楽曲の力もSTU48の良さかと。

石田 自分でも好き過ぎて、歌詞と感情がリンクしてパフォーマンスしながらウルっときたこともあります(笑)。

――そしてSTU48で過ごせたからこその思い出は。

石田 STU48でしかできなかったことは、いっぱいあります。
何より船の上でライブ(船上劇場)って、冷静に考えたら他じゃ絶対ありえないですよね(笑)。メンバーの瀬戸内愛も強いし、STU48らしさはこういう、地元や人の心への愛が強いところだなと思います。それに、レーベルのスタッフさんも優しくて、歌だけでなくパフォーマンスも見てくれていて「ここの振りももっとこうしよう」みたいに、親身になって育ててくれました。他のグループさんのことはもちろんわからないんですが(笑)、こんなに優しい人に囲まれたグループって、唯一だと思います。

――もらった愛を、これからの活動でも返していけそうですね。

石田 すべてがあたたかい空間と時間を過ごせたのがSTU48です。その中でもやっぱり握手会が大好きで、「ファンの皆さんのおかげでアイドルになれている」と実感できる場所でした。9年間で見つけた「なんとかなる」の精神も忘れないで、人を元気づけられるお仕事をこれからもしていきたいです。プライベートでもSTU48の楽曲に元気をもらってきたので、もらった分以上にエンタメを届けていきます。

▼石田千穂(いしだ・ちほ)2002年3月17日生まれ、広島県出身。2017年、STU48第1期生オーディションに合格しデビュー。6thシングル『独り言で語るくらいなら』、8thシングル『花は誰のもの?』、9thシングル『息をする心』ではセンターを務める。
2020年に初の写真集『檸檬の季節』を発売し、2022年には舞台『パレード』で初の舞台出演、2024年には映画『コーヒーはホワイトで』で、初の映画出演を果たす。2026年5月31日に東京Kanadevia Hallにて卒業コンサートを開催予定。

【前編】STU48石田千穂、「もう安心してもいいのかな」後輩の成長が背中を押した“卒業”決断
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