人気YouTuberの「てんちむ」こと橋本甜歌の発言が、思わぬ議論を呼んでいる。テーマは、キャバクラ嬢などの"夜職"に憧れる風潮だ。


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てんちむは5月11日までに自身のInstagramのストーリーズを更新。ファンから「キャバ嬢が持ち上げられてる風潮」について意見を求められると、「大前提、楽な仕事はないと思うし 職業で云々思わないからマジでどうも思わない」としたうえで、「お金を稼ぐために仕事をするなら 昼職やインフルエンサーやるより人によっては夜職の方が稼げるから、やりたい人が増える思想になっても全然おかしくないと思う」と持論を展開した。

てんちむは、銀座のクラブや六本木のショークラブで働いた経験がある。自身がナイトワークに向かった理由についても、「実際私も裁判問題の時に金稼がなきゃってなって思いついたのは真っ先に夜職だし」と振り返った。さらに、「逆に言えば昼職でそのくらい稼げるなら昼職頑張ろうってその時なってたと思う」とし、夜職への関心を個人の価値観だけで片づけるのではなく、待遇問題としても見ていることをうかがわせた。

続けて、てんちむは「つまりはその風潮を変えたいのであれば、昼職や他のお仕事の給料をもっと上げたり、仕事自体に夢を見させる必要もあるし、なんか国の問題な気もするし」と指摘。その一方で、「まあなんでもいいんじゃん?」と軽い調子でまとめつつ、クラブ勤務を経験した際には、好きではない酒を飲み、興味のない相手の話を聞ける夜職の人たちを「すごい」と思ったともつづっている。

この発言が注目されたのは、近年、夜職の見え方が大きく変わっているからだ。かつては夜の街に足を運ばなければ接点がなかった職業が、いまではSNSやYouTube、ショート動画、テレビ番組などを通じて、日常的に目に入るようになった。キャバクラ嬢やホスト、ラウンジ嬢らが、インフルエンサーのような影響力を持つケースも少なくない。

夜の職業の女性たちがSNSを通じてルックスや華やかな生活を発信できるようになったことで、若い女性から支持を集めるようになったとの分析もある。SNSでは、努力して磨いた外見や高級店での食事、ハイブランドのバッグ、高価なドレスをまとった姿などが切り取られやすく、仕事の厳しさよりも"成功している人のキラキラした部分"が見えやすい。


実際、かつて女子高校生の「なりたい職業」の上位にキャバクラ嬢が入ったと報じられたこともあり、ナイトワーク従事者の年齢層が低下傾向にあるとの指摘もある。

もちろん、夜職に憧れることを一律に否定することはできない。接客、会話、営業、自己管理、見せ方など、多くの能力が求められる仕事であり、てんちむが言うように「楽な仕事」ではない。夜職で努力を重ねた結果として、高収入を得る人もいる。職業を上から目線で評価するような見方は、それ自体が偏見になりかねない。

今回の議論でも、「キラキラして見えるけど長く続けるのは難しい」「若い人が安易に憧れるのは危うい」といった慎重な声がある一方、「どうせ働くなら割のいい仕事を選びたいのは当然」「夜職でも努力している人は多い」といった意見も出ている。さらに、てんちむの「昼職や他のお仕事の給料をもっと上げる必要がある」という指摘に対して、「昼の仕事に夢を持ちにくい社会の方が問題」という受け止め方もある。

ここで浮かび上がるのは、夜職そのものへの評価というより、若者が何に希望を見いだすのかという問題だ。とりわけ若者にとって、現代の日本は長時間働いても賃金が上がりづらく、将来への希望や安心感が持てない。そうした環境で、高収入や華やかな生活を前面に出す職業が魅力的に映るのは、ある意味で自然な流れでもある。

だからこそ、てんちむの発言は単なる"夜職論"にとどまらない。夜職を美化しすぎることへの不安、職業差別への反発、若者の収入不安、SNSが作り出す憧れの構造。
いくつもの論点が重なり、反響が大きくなったと言える。

夜職には、努力や才能が必要な現実がある。同時に、見えにくい負担やリスクもある。大切なのは、華やかな一面だけを切り取って持ち上げることでも、逆に職業全体を見下すことでもない。なぜ今、若者の目に夜職が魅力的に映るのか。その問いに向き合うことは、現代社会の問題点を考えることにもつながっている。

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