日本製鉄は5月13日、USスチールの100%子会社でスロバキアに拠点を置くU.S.Steel Košice(以下、USSK)について、日本製鉄が100%を直接出資する体制へ移行することを決定したと発表した。

移行は2026年10月1日を予定しており、同日付で社名を「Nippon Steel Slovakia(略称:NSSK)」に変更する予定だという。


○USSKの概要

USSKは1965年の操業開始以降、自動車、電機、容器、エネルギー、建設、サービスセンターなど、中東欧を中心に幅広い分野へ鋼材を供給してきた。

日本製鉄はUSスチール買収後、USSKの立地優位性や薄板製品ポートフォリオ、顧客基盤、労働力、設備などを基盤に、技術、人材、営業・購買ネットワークの共有・連携を強化し、USSKの競争力向上に取り組んでいる。

欧州の鉄鋼市場は、中国・米国に次ぐ世界第3位の規模を持つ市場であり、日本製鉄が最先端の商品技術を生かせる高級鋼需要の大きい成熟市場だとしている。特に中東欧では、今後の経済成長に加え、需要家製造拠点の移転による高級鋼の需要増加が期待されるという。

日本製鉄は今回の直接出資体制への移行により、USSKを同社グローバル戦略における欧州中核拠点として明確に位置付け、欧州事業における収益力向上と事業規模の拡大をより直接的に推進するとしている。

また、USスチールは今回の移行を通じて米国市場への経営資源集中と競争力強化に注力する。欧州においては日本製鉄の直接出資による経営体制のもと、グループの経営資源を活用した持続的な利益成長を目指すとしている。

USSKは中東欧最大の鉄鋼メーカーで、粗鋼能力は年450万トン。主要設備として高炉3基、熱延、冷延、焼鈍、ブリキ、亜鉛めっき、無方向性電磁などを有する。2025年末時点の従業員数は7,573人、2025年実績の売上高は29億ユーロ、粗鋼生産量は年322万トン。
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