財務省は5月14日、2026年5月募集分の「個人向け国債」の最新金利を発表しました。元本割れのない安全資産として比較されることの多い「個人向け国債」と「定期預金」ですが、実際に100万円を預けた場合、受け取れる利子にはどのくらい差が出るのでしょうか。


本記事では、発表されたばかりの個人向け国債の金利と、2026年5月時点の定期預金金利を比較し、受取利子をシミュレーションします。

個人向け国債と定期預金はどこが違う?

個人向け国債と定期預金は、どちらも元本割れしないことから、安全性を重視したい人向けの金融商品です。

個人向け国債は日本国政府が発行する債券で、「変動10年(変動金利型10年満期)」「固定5年(固定金利型5年満期)」「固定3年(固定金利型3年満期)」の3つのタイプがあります。変動10年の金利は半年ごとに変わりますが、固定5年と固定3年の金利は満期まで固定されて変わりません。いずれのタイプも、年率0.05%(税引前)の最低金利が保証されています。

一方、定期預金は銀行に一定期間お金を預ける商品で、預入時の金利が満期まで適用されるのが一般的です。

最低取引金額にも違いがあり、個人向け国債は1万円から1万円単位で購入できますが、定期預金は1円、1,000円、1万円単位等、金融機関によってさまざまです。期間は、個人向け国債が3年、5年、10年から選べるのに対し、定期預金は1ヶ月~10年程度が多くなっています。

このように、個人向け国債と定期預金は、金利の仕組みや最低取引金額、期間などに違いがあります。
個人向け国債と定期預金の利子をシミュレーション

では、個人向け国債と定期預金では、受け取れる利子にどのくらい違いがあるのでしょうか。ここでは、2026年5月募集分の個人向け国債(3タイプ)と、同時点で公表されている定期預金の中から、特に金利の高い2行を取り上げました。

今回は、それぞれに100万円を預けた場合の利子を比較します(受取利子の合計は全て税抜前、イオン銀行「定期預金利息シミュレーション」にて計算)。


<個人向け国債(2026年5月募集分)>

・変動10年

・固定5年

・固定3年

<定期預金>

・SBJ銀行(5年もの)

・商工組合中央金庫 商工中金ダイレクト(3年もの)

個人向け国債「変動10年」「固定5年」「固定3年」と、「SBJ銀行(5年もの)」「商工組合中央金庫 商工中金ダイレクト(3年もの)」にそれぞれ100万円預けた時の受取利子を比較しました。

利子を算出すると、「変動10年」は16万7,000円、「固定5年」は9万4,500円、「固定3年」は4万7,100円、「SBJ銀行(5年もの)」は7万2,499円、「商工中金ダイレクト(3年もの)」は4万3,499円となりました。

なお、条件をそろえて比較するため、定期預金の利子も個人向け国債と同じく単利で算出しています。

まず、満期が同じ個人向け国債「固定5年」と「SBJ銀行(5年もの)」を比べてみると、金利には0.44%ほどの差があります。そのため、受け取れる利子の合計額も、個人向け国債のほうが2万2,001円も多いことがわかります。

次に、個人向け国債「固定3年」と「商工中金ダイレクト(3年もの)」を見比べると、金利差は0.12%と、固定5年ほど大きな差はありません。そのため、受け取れる利子の合計額も、個人向け国債のほうが3,601円多くなるにとどまっています。

ちなみに、本記事でご紹介している「SBJ銀行」の金利は、初めて口座を開設した方を対象とした、口座開設月を含む最初の3ヶ月間だけ適用される特別金利です。「商工組合中央金庫 商工中金ダイレクト(3年もの)」の金利は、2026年5月29日(金)15時までのキャンペーン金利です。

なお、個人向け国債の「変動10年」は半年ごとに金利が変わるため、将来の利子総額を正確に計算することはできません。ここでは、発表金利の1.67%が、この10年間ずっと同じ水準で続くと仮定して、受け取れる利子額のイメージを示しています。
それぞれの特徴を理解して活用しよう

個人向け国債は定期預金よりも金利が高い傾向にあるため、より多く利子を受け取りたい人に向いているでしょう。
一方、定期預金は期間の短い商品も用意されていることから、短期で運用したい人、換金のしやすさを重視したい人に適しています。

まずは両者の特徴を把握したうえで、自分のライフスタイルや目標に合う方を選んでみましょう。また、どちらか一方に絞らず、組み合わせて活用するのもおすすめです。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら
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